◆過去の研究からつわりに有効な治療を検討
研究グループは、過去の文献を集めて内容を吟味し、つわりの治療について有効性と安全性を調べる研究を行いました。
◆つわりに効果的な治療方法はなし?
レビューの結果、41の研究が選択基準を満たしました。
研究結果を以下に示します。
P6指圧、耳の指圧、P6点の鍼刺激の効果は限定的であった。鍼(P6、伝統的な方法ともに)は、妊娠中の女性に統計学的に有意な改善を示さなかった。
ショウガ製品の使用は、女性に役立つ可能性を示したが、その有効性の根拠は限定的であり、最近の研究3件が偽薬よりもショウガを支持したものの、結果に一貫性はなかった。
ビタミンB6やドキシラミン-ピリドキシン、その他の制吐薬を含む薬物の使用が軽度から中等度の吐き気および嘔吐を緩和することを支持する臨床試験からの根拠は限られたものだった。
一部の研究で、指圧、鍼刺激(ツボに微弱な電流を流す方法)、ショウガ、ビタミンB6、制吐薬などについて何らかの効果が報告されていました。しかし、はっきりした効果として、信頼度の高い十分なデータは得られませんでした。
多くの妊婦が経験するつわりですが、その効果的な治療方法は示されていないという研究結果でした。
全体として確実なデータがないとしても、個々人で効果がある可能性も考えられるので、医師に相談しながらいくつかの方法を試してみることも一つの手段かもしれません。そのときにも、確実な治療法が見つかっていないと知っていれば、ひとつの方法にこだわりすぎないでいられるかもしれません。
執筆者
Interventions for nausea and vomiting in early pregnancy.
Cochrane Database Syst Rev. 2015
[PMID: 26348534]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。