◆統合失調症と認知症の関連性を検証
今回の研究は、デンマークの調査で18年間の追跡により得られた280万人のデータから、認知症が発症した136,012人を分析し、統合失調症との関連性を検証しました。
◆統合失調症の患者は認知症を発症する危険性が2倍以上
以下の結果が得られました。
統合失調症があると、年齢、性別、発症時期で調整しても、全原因の認知症を発症する危険性が2倍以上であった(発症率比2.13、95%信頼区間2.00-2.27)。
統合失調症があると、認知症を発症する危険性が2倍以上であるという結果でした。特に、65歳未満ではその危険性が増しました。
統合失調症と認知症が関わるメカニズムなどは明らかになっていませんが、今後の研究で明らかになっていくかもしれません。今回のような研究により、統合失調症患者が治療を受け日常生活に復帰したあとも、認知症の対策を取る必要性について議論が深まることを期待します。
執筆者
Long-term Risk of Dementia in Persons With Schizophrenia: A Danish Population-Based Cohort Study.
JAMA Psychiatry. 2015 Oct 7
[PMID: 26444987]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。