◆過去の研究を統合
研究班は、過去の研究を検索し、せん妄の症状がある成人を対象に、抗精神病薬の効果を調べたものを集め、データを統合しました。
◆2人に1人は改善あり
次の結果が得られました。
グループとしてプールしたとき、抗精神病薬は偽薬または通常のケアと比べて、治療応答率(リスク比0.22、NNT=2)、せん妄の重症度のスコア(標準化平均差-1.27)、CGI-Sのスコア(標準化平均差-1.57)、治療応答までの時間(標準化平均差-1.22)について優位だった。
プールした抗精神病薬グループは、偽薬または通常のケアと比べて、口渇(リスク比13.0、NNH=5)と鎮静(リスク比4.59、NNH=5)の発生率がより高いことと関連した。プールした第二世代抗精神病薬は、ハロペリドールと比べて、より短い治療応答までの時間(標準化平均差-0.27)および錐体外路症状の発症率がより低いこと(リスク比0.31、NNH=7)と関連した。
抗精神病薬を使った人のうち2人に1人はせん妄に改善があり、特に第二世代抗精神病薬と呼ばれる種類の薬では効果がより早く現れました。
副作用と見られることとして、口が乾く、意識がぼんやりするという症状が報告されました。
入院中のせん妄で点滴を抜いてしまうなどの問題が知られています。適切に対処するために、効果が知られた薬が役に立つかもしれません。
執筆者
Antipsychotic medications for the treatment of delirium: a systematic review and meta-analysis of randomised controlled trials.
J Neurol Neurosurg Psychiatry. 2015 Sep 4 [Epub ahead of print]
[PMID: 26341326]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。