◆不安障害がある親とその子が対象
この研究では、不安障害の診断基準を満たす親と、その子どもで6歳から13歳であり、不安障害がない子がいる家族が対象になりました。対象の136家族は、8週間にわたって不安に対処する訓練プログラムを受けるか、訓練を受けないかにランダムに分けられました。
◆不安障害の発症が減少
次の結果が得られました。
子どもの不安障害の発症率は対照群で31%、介入群で5%だった(オッズ比8.54、95%信頼区間2.27-32.06)。
訓練を受けなかったグループでは、1年間に31%の子どもに不安障害が見られましたが、訓練を受けたグループでは5%と少なくなっていました。
研究班は「短期間の心理社会的予防プログラムは不安障害のある親の子どもに対して不安障害の1年発症率を減らすことに有望である」と結論しています。
不安障害の原因には心理的要因などさまざまな要素が働いていると考えられていますが、詳しくはわかっていません。ここで得られた結果が、より効果的な対策のための手がかりになるかもしれません。
執筆者
Preventing Onset of Anxiety Disorders in Offspring of Anxious Parents: A Randomized Controlled Trial of a Family-Based Intervention.
Am J Psychiatry. 2015 Sep 25 [Epub ahead of print]
[PMID: 26404420]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。