◆過去の研究を統合
研究班は、これまでの研究から、子どもの睡眠呼吸障害と学校の成績の関係を調べたものを集め、データを統合しました。
◆国語、数学、理科が苦手?
次の結果が得られました。
488件の研究のうち、16件が適格基準を満たした。睡眠呼吸障害は主要科目の成績のうち、国語(効果量-0.31、P<0.001、I2=74%)、数学(効果量-0.33、P<0.001、I2=55%)、理科(効果量-0.29、P=0.001、I2=0%)がより悪いこと、また進歩・学習不十分の問題(効果量-0.23、P<0.001、I2=0%)と有意に関連したが、総合成績とは関連しなかった。
見つかった16件の研究によるデータから、睡眠呼吸障害は総合成績とは関係が見られませんでしたが、国語、数学、理科の成績が悪いことと関連が見られました。
この結果はさまざまな環境の子どもについてのデータを統合したものですが、教育カリキュラムなど個別の条件によっていくらか違った傾向が出る可能性も考えられます。もちろん個人差も大きいでしょう。睡眠呼吸障害によって起こりうる影響を把握するうえで、ひとつの可能性として参考にできるかもしれません。
執筆者
Sleep Disordered Breathing and Academic Performance: A Meta-analysis.
Pediatrics. 2015 Sep 7 [Epub ahead of print]
[PMID: 26347434]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。