◆8歳以上のSLE/MCTD患者
この研究は、うつ症状、不安症状と関連する要因を詳しく調べるために、8歳以上のSLE/MCTDの患者と、性別・年齢が近いように選んだ1型糖尿病の患者の50組を比較して、うつ症状などの頻度を調べました。
◆うつ症状は23%
次の結果が得られました。
参加者のうち、うつ症状は23%に、希死念慮は15%に、不安は27%に見られた。1型糖尿病のある対象者に比べて、SLE/MCTDのある対象者ではうつ症状と希死念慮の調整有病割合が低かったが、メンタルヘルスの治療率は低かった(24% vs 53%)。
SLE/MCTDの患者と1型糖尿病の患者を合わせた全体で、23%にうつ症状、27%に不安症状が見られました。SLE/MCTDの患者よりも1型糖尿病の患者でうつ症状は多く見られました。うつ症状などメンタルの問題に治療がなされていた割合は、SLE/MCTDの患者で24%、1型糖尿病の患者で53%でした。
これらの病気が免疫の異常などによって神経の組織に影響を与えるのか、病気があることによって精神的な負担になるのかといったことはこの結果からは判断できません。いずれにせよ、ほかの対象者集団についても似た結果が見られるようなら、これらの病気では精神の症状に注意が必要と考えるべきなのかもしれません。
執筆者
Identifying Differences in Risk Factors for Depression and Anxiety in Pediatric Chronic Disease: A Matched Cross-Sectional Study of Youth with Lupus/Mixed Connective Tissue Disease and Their Peers with Diabetes.
J Pediatr. 2015 Aug 24 [Epub ahead of print]
[PMID: 26316371]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。