◆120人のテニス肘患者を対象に筋トレ効果を検証
テニス肘に対する治療の一つとして、筋力トレーニングがあります。
研究グループは、筋力トレーニングの違いによる痛み改善の効果を検証するために、テニス肘の患者120人を対象として、遠心性の筋力トレーニングを行うグループと求心性の筋力トレーニングを行うグループにランダムに分け、12ヵ月後までの痛みの改善を調べました。
求心性トレーニングは、椅子に腰掛けた状態で肘掛けに腕を置き、水の入ったボトルを持ち上げるように動かすものとし、遠心性トレーニングは、持っているボトルを落とさないように下におろすものとしました。トレーニングとしては両グループとも、自宅での自主トレーニングを3ヵ月間行いました。
◆遠心性トレーニングがより早く痛みを改善
研究グループは、以下の研究結果を示しています。
遠心性筋力トレーニングを行ったグループは、すべてのレベルにおいて平均約10%高い反応率を示し、筋収縮と伸張時の双方において、求心性筋力トレーニングを行ったグループより早く痛みを軽減させた(各々、p < 0.0001とp = 0.006)。
遠心性トレーニングを行ったグループは、求心性トレーニングを行ったグループより早く痛みが軽減されるという結果が得られました。
筋力を強化するための方法は様々ですが、どのような筋肉の使い方をするかという視点も大事であるということに気づかされます。
執筆者
A randomized controlled trial of eccentric vs. concentric graded exercise in chronic tennis elbow (lateral elbow tendinopathy).
Clin Rehabil. 2014.
[PMID: 24634444]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。