2015.07.01 | ニュース

ダニが媒介する感染症「SFTS」が拡大し中国で年間40人以上の死亡、日本でも

地域ごとのリスクを評価

from Scientific reports

ダニが媒介する感染症「SFTS」が拡大し中国で年間40人以上の死亡、日本でもの写真

重症熱性血小板減少症候群(SFTS)は日本初の感染者が2012年に見つかったことを含め、中国で2009年に発見されて以来、感染は拡大を続けていると考えられています。原因はダニが媒介するウイルスで、夏に多く、発熱や出血などの症状を起こし、重症では死に至ることもあります。予防法・治療法は発見されていません。中国などの研究班が、これまでの発症例をもとに、発症のリスクが高い地域のマップを作成しました。

◆マダニが主な感染源

SFTSは中国で2013年の1年間に676人に発症し、そのうち48人が死亡しました。河南省、山東省、湖北省で特に発症・死亡が多く報告されています。マダニを介してウイルスに感染する場合が多いと考えられています。

 

◆中国東部は高リスク

研究班は、これまでの発症例の解析から、高温多雨やマダニが生息しているなど、地域ごとの発症に関連する要因を探し出し、リスクが高い地域のマップを作成しました。すでに多くの感染者が見つかっている地域のほか、中国東部の吉林省、遼寧省、安徽省、浙江省でも今後の発症が予想されています。

 

日本でもこれまでに計100人以上がSFTSを発症し、うち30人以上が死亡したことが報告されています。厚生労働省はマダニに咬まれないようにするなどの対策を勧めています。

「重症熱性血小板減少症候群(SFTS)に関するQ&A」

http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/sfts_qa.html

 

これからの行楽シーズン、山歩きをするときは長袖長ズボンを着るなどの対策をした方がいいでしょう。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

A National Assessment of the Epidemiology of Severe Fever with Thrombocytopenia Syndrome, China.

Sci Rep. 2015 Apr 23

 

[PMID: 25902910]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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