2016.04.23 | ニュース

日光を避けすぎると喫煙と同じくらい身体によくない

寿命も短く?スウェーデンの女性29,518人を調査

from Journal of internal medicine

日光を避けすぎると喫煙と同じくらい身体によくないの写真

日焼けによる皮膚のダメージが気になる季節になってきました。ですが、極端に日光を避けすぎるのも身体によくありません。スウェーデンの研究チームが、日に当たらないのは喫煙と同じくらい身体によくないと報告しました。

◆29,518人、20年分の統計を調査

研究チームは、29,518人のスウェーデン人女性を対象とした20年分の健康データの統計を調べ、日に当たる習慣を持つ女性と、日光を避けている女性を比べ、太陽光と死亡率の関係を検証しました。

 

◆日光を避けすぎると喫煙と同じくらい身体によくない

統計から次の結果が得られました。

積極的に日に当たる習慣を持つ女性は、日光を避けている女性に比べて心血管疾患(CVD)およびがん以外/非CVD死亡リスクが低かった。その生存率増の結果をうけ、相対的がん死亡率は、これらの女性で増加した。日光を避けた非喫煙者の平均寿命は、最高日光曝露群の喫煙者と等価で、日光暴露の回避が喫煙と同程度の死亡危険因子であることを示した。最高日光暴​​露群と比較して、日光暴露回避群の平均寿命は0.6から2.1年減少した。

日によく当たる喫煙者と、喫煙しないが日光を避けている女性の平均寿命は同等でした。また、日光を避けた女性の方が日によくあたる女性と比べて寿命が0.6~2.1年短いという結果でした。

 

この研究はスウェーデンの女性を対象にしたもので、アジア人ではどうなのかは分かっていません。また、今回は運動やその他の生活習慣との関連は述べておらず、もしかすると日光に当たる習慣のある人は運動をよくしているなど、ほかの原因も関係しているかもしれません。

日光を避けすぎると、骨や歯の形成に必要なビタミンDが不足しますし、人間の概日リズムは日光を浴びることで調節されますので、調節が上手くいかないと生活リズムが乱れて、睡眠障害などの体調不良を引き起こします。ですので、適度に日光を浴びることは大事です。日焼けの心配もある面で理にかなったことではありますが、極端はよくないのではないでしょうか。

参考文献

Avoidance of sun exposure as a risk factor for major causes of death: a competing risk analysis of the Melanoma in Southern Sweden cohort.

J Intern Med. 2016 Mar 16.

[PMID: 26992108]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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