2015.12.20 | ニュース

音が聞こえない…女性に多い「橋本病」の症状は元気がなくなるだけではなかった?

30人の患者の検査から

from Endocrine

音が聞こえない…女性に多い「橋本病」の症状は元気がなくなるだけではなかった?の写真

若い女性に多い橋本病(慢性甲状腺炎)は、免疫の異常により甲状腺が攻撃され、むくみやだるさなどの甲状腺機能低下症の症状が現れる病気です。難聴との関係は確かめられていませんでしたが、新たに研究が行われました。

◆橋本病で難聴になるか?

免疫が自分自身の体を攻撃してしまう自己免疫疾患のうちいくつかで、難聴の症状が知られています。この研究は、橋本病の患者で健康な人よりも難聴が多く現れるかどうかを調べました。

橋本病の患者30人と、健康な30人が聴力の検査を受け、結果を比較されました。

 

◆難聴の頻度が高い

次の結果が得られました。

健康な対照群と比べて、橋本甲状腺炎の患者では250Hz、500Hz、60000Hzでオージオメーターでの閾値が高く、難聴の頻度が高かった(P<0.05)。

橋本病の患者では、健康な人よりも多く難聴が見つかりました

 

橋本病の治療では、おもに足りなくなった甲状腺ホルモンを補う方法で、だるさなどの症状の改善が図られますが、もし難聴との関係が無視できないとすれば、治療の考え方に影響するかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Evaluation of hearing functions in patients with euthyroid Hashimoto's thyroiditis.

Endocrine. 2015 Dec

[PMID: 25963023]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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