2015.11.25 | ニュース

まさか赤ちゃんに…異常に大きい4か月女児の胆嚢に見つかった病気とは?

アメリカ、超音波検査で見つかった史上初の症例報告

from Case reports in pediatrics

まさか赤ちゃんに…異常に大きい4か月女児の胆嚢に見つかった病気とは?の写真

子どもの超音波検査が普及したことにより、症状のない病気や臓器の異常が見つかる場合が増えています。極端な例として、子どもにはほとんど起こらないと言われていた病気が4か月の乳児に見つかった、アメリカの研究班による報告を紹介します。

◆5kg近くで産まれた女の子

この女の子は帝王切開で産まれ、出生時の体重が4,932gでした。その後も月齢に比べて非常に大きい水準で成長が続き、過剰な成長などを特徴とするベックウィズ-ヴィーデマン症候群が疑われました。

身体診察や遺伝子検査を含む検査が行われましたが、ベックウィズ-ヴィーデマン症候群でしばしば見られる臍帯ヘルニアなどの異常は見つからず、血液検査などの検査結果もおおむね正常でした。

 

◆超音波検査で胆嚢腺筋症を発見

4か月で腹部の超音波検査が行われた結果、胆嚢腺筋症と思われる特徴が見つかりました。症状はなく、悪化する恐れも小さいと考えられたため、手術はせず、3か月ごとの超音波検査で経過観察する方針とされました。

胆嚢腺筋症は、胆のうの壁が慢性的な炎症により厚くなり、場合によって胆のう炎や胆石の症状を起こすことがある病気です。多くの場合は症状がなく、治療も必要ないとされます。そして、子どもには非常にまれと考えられています。この報告について、研究班は「我々が知る限り、これは乳児の胆嚢腺筋症の初めての症例報告である[...]」と述べています。

 

検査を多く行うことで、症状のない病気が見つかることがあります。治療の必要があるかどうかは別に考えるべきですが、病気がどのような段階を経て症状を起こすか、今後より広い範囲でわかるようになるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Description of the first case of adenomyomatosis of the gallbladder in an infant.

Case Rep Pediatr. 2014

[PMID: 25024860]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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