◆ヨガを行う群と対照群にランダムに振り分け
今回の研究では、慢性的な難治性PTSD患者64人を、ヨガを行う群と対照群にランダムに分けました。
ヨガを行う群では、過去のショックや恐怖感が身体にどのように現れているかを認識しながらヨガを行う、Trauma-informed ヨガという方法を実施しました。対照群は、健康教育を行いました。どちらも、週1時間のセッションを10週間実施しました。
◆ヨガを行うとPTSDの症状の改善が長く維持される
以下の結果が得られました。
研究の終了時点では、対照群の29人中6人(21%)と比べて、ヨガ群では31人中16人(52%)で、PTSDの基準に達していなかった(n=60, χ2=6.17、p=0.013)。
[...]、どちらの群でも、治療の前半では、PTSDの症状が有意に減少していたが、これらの改善はヨガ群で維持された一方、対照群では最初の改善後、再び悪化した。
ヨガ群では、治療後にPTSDの基準に達した人が少なくなりました。治療開始後にどちらの群でも症状が少なくなりましたが、健康教育の群では治療期間中に再び悪化したのに対し、ヨガ群では、治療の効果が持続しました。
PTSDに対するヨガのプログラムは効果が見られ、ヨガの方が健康教育よりもその効果は持続するという結果でした。ヨガがどのようなメカニズムでPTSDを改善するかは不明ですが、このような研究が多く積み重なることで、代替療法として確立される可能性はあるかもしれません。
執筆者
Yoga as an adjunctive treatment for posttraumatic stress disorder: a randomized controlled trial.
J Clin Psychiatry. 2014 Jun
[PMID: 25004196]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。