2015.07.08 | ニュース

プロバイオティクスは子どものアレルギーを防げるか?

29件のメタアナリシス

from The Journal of allergy and clinical immunology

プロバイオティクスは子どものアレルギーを防げるか?の写真

プロバイオティクスとは、人間に有益な働きをする微生物のことです。食べ物やサプリメントから取り込むことで腸内フローラに変化を起こし、健康に良い効果を現すという意見があります。子どものアレルギー性疾患に対するプロバイオティクスの予防効果について、これまでの研究論文を検証する研究から、母親または子どもが摂取したときに湿疹が少ない場合があったことが報告されました。

◆妊娠中~授乳中の母親と子ども自身が摂取した場合の研究

研究班は、妊娠中の母親、授乳中の母親、または乳児がプロバイオティクスを摂取したときの効果について調べた研究を文献検索で集め、結果を検証しました。

 

◆湿疹が減少

条件に合う29件の研究が集まり、次のように統合した結果が得られました。

プロバイオティクスは、妊娠第3期にある女性が使った場合(リスク比0.71、95%信頼区間0.60-0.84)、母乳栄養中の母親が使った場合(リスク比0.57、95%信頼区間0.47-0.69)、また乳児が使った場合に(リスク比0.80、95%信頼区間0.68-0.94)、湿疹のリスクを減らした。

妊娠の終わりの3か月にあたる女性、授乳中の女性、乳児自身がプロバイオティクスを摂取した場合のそれぞれで、乳児に湿疹が現れるリスクが小さくなっていました

研究班は「ただし、根拠の確かさは低い」と断っています。

 

プロバイオティクスが体にどのような変化を起こすかは明らかではありませんが、腸内細菌の働きは最近研究されつつあり、その役割が今後しだいにわかってくるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Probiotics for the prevention of allergy: A systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials.

J Allergy Clin Immunol. 2015 Jun 1 [Epub ahead of print]

 

[PMID: 26044853]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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