めまい・耳鳴り
最終更新: 2018.03.19

耳鳴りの種類・音の特徴について

耳鳴りには病気が原因のもの、正常でも経験するものなどいくつかの種類があります。耳鳴りの原因を調べるには、耳鳴りの聞こえ方の特徴がヒントになります。

1. 耳鳴りの原因をどうやって見分けるか

突然「キーン」と耳鳴りが聞こえ出して、しばらくすると消えていた、という現象は多くの人が経験するものです。他にも、静かな夜に寝ようとベッドに入ったとき、防音室に一人で入ったときなど、本来音がしない状況で耳鳴りを経験したかもしれません。こうした耳鳴りはほとんどが正常です。一方で、メニエール病や、突発性難聴脳腫瘍などの病気を原因とした耳鳴りもあります。正常な耳鳴りと異常な耳鳴りを区別するには耳鳴りの特徴がヒントになります。

お医者さんに擬音・擬声語で表現する

耳鳴りの特徴を、診断や治療の手がかりにするには、聞こえている耳鳴りをうまくお医者さんに伝える必要があります。まず思いつくのは、擬声語を使った表現でしょう。実際に耳鳴りがある人がよく使う言葉の例を挙げます。

  • ジー
  • キーン
  • ゴォー
  • シャー
  • ザッザッ

実は耳鳴りの音に注目するだけでも、病気をある程度区別することができます。ただ、こうした表現はどうしても主観的になってしまうので、もう少し特徴をはっきり伝えるため、医師が使う表現の例をいくつか挙げていきます。

2. 耳鳴りの特徴①:高音、低音

音には高い音と低い音があります。耳鳴りにも高音の耳鳴りと低音の耳鳴りがあります。

「キーン」「ピーン」という、電子音や金属音に似た高音の耳鳴りは、正常な耳鳴りとしてもよく現れます。音のない静かな部屋に入った時に、こういった高音の耳鳴りを感じたことがあるかもしれません。加齢により耳が遠くなっている状態(老人性難聴)や、大音量のライブや工事現場の騒音などによる音響外傷でも高音の耳鳴りが聞こえることがあります。一方で「ゴォー」「ザー」といった低音の耳鳴りもあります。メニエール病の耳鳴りは典型的には低音の耳鳴りです。

3. 耳鳴りの特徴②:単一音、雑音、拍動

病気が背景にない耳鳴りで良く聞かれる音は、「キーン」「ピーン」などと表現され、音に変化がありません。このような音を「単一音で構成されている」と言います。一方で、いくつかの音が混じった雑音の耳鳴りがあります。耳鳴りの中には耳の近くで実際に鳴っている音が聞こえている場合があるのですが、こういった場合は単一音ではなく変化のある音が聞こえます。その中でも、「ガッガッ」「ザッザッ」のように一定のリズムで拍動している耳鳴りは、血管の中を血液が流れる音を聞いている可能性があります。

4. 耳鳴りの特徴③:片耳、両耳

耳鳴りの特徴は「どんな音か」だけではありません。耳鳴りが片耳にだけ聞こえているのか、両耳に聞こえるのかという情報は、原因を絞り込むのに役に立ちます。

片側の耳鳴りの原因の例としては次のものがあります。

【片側の耳鳴りの主な原因】

両耳で聞こえる耳鳴りの原因に次のものがあります。

【両側の耳鳴りの主な原因】

  • 騒音性難聴(何年も騒音の激しい環境にいたことによる)
  • 老人性難聴(加齢による)
  • 薬剤性難聴抗生物質などの薬剤による)

詳しくは「耳鳴りの原因は?」で説明しているので参考にしてください。

5. 耳鳴りの特徴④:突然聞こえる、いつの間にか聞こえている

耳鳴りがどのように始まったかも手がかりになります。

ある瞬間に突然起きる耳鳴りもあります。突然起きる耳鳴りは、突発性難聴メニエール病などの病気が原因の可能性があります。

対して、気づいたら耳鳴りが前から聞こえているようだ、と感じることがあります。このように少しずつ、いつの間にか聞こえ始めていつまでも続く耳鳴りの原因は、例えば騒音性難聴や老人性難聴が考えられます。

6. 耳鳴りの特徴⑤:他の症状の有無

耳鳴りと同時にほかの症状がないかも大事な情報です。耳鳴りと一緒に出やすい症状の例とともに説明します。

めまい・難聴

耳鳴りと同時に現れやすい症状には、めまい(眩暈)や難聴があります。めまいや難聴と耳鳴りが一緒に現れた場合には、メニエール病突発性難聴などの病気が原因になっている可能性があります。メニエール病では吐き気嘔吐もよく出る症状です。

その他の症状

そのほかに、たとえば自律神経失調症で耳鳴りが聞こえることがあります。自律神経失調症の症状は人によってさまざまです。一例を挙げると、次のような症状があります。

自律神経失調症の主な症状】

  • 身体の症状
    • 頭痛
    • 首の痛み、首こり、肩こり
    • 背中の痛み、背中のこり、腰痛
    • 食欲不振
    • 便秘/下痢
    • 手足の冷え
    • 生理不順
    • 生理痛
    • めまい
    • だるさ
  • 精神の症状
    • うつ、気分の落ち込み、意欲の低下
    • 不眠

7. 耳鳴りの治し方は?

長引く耳鳴りは背景に病気が隠れていることがあるので、自然に治るのを期待するのではなく、医療機関で相談することをお勧めします。耳鼻咽喉科が耳鳴りに詳しい診療科なので、最初の相談先として適しています。問診で耳鳴りについて聞かれた時には、上で挙げた点を参考に耳鳴りの特徴を説明すると伝わりやすくなります。



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