ゼーゼーとした呼吸音の基礎知識
概要
喘息や気管支炎では、呼吸するたびにゼーゼー、ヒューヒューといった音が出やすくなります。
原因とメカニズム
気管支に炎症が起こる原因はさまざまです。ウイルスや細菌が感染したことによる気管支炎が代表的です。小さな子どもの場合は、RSウイルスが原因となることも多いです。気管支炎よりも重症である肺炎でも、喘鳴が聞こえることがあります。
他にはアレルギーが関係した気管支喘息が代表的です。長年喫煙をしている人では、COPD(慢性閉塞性肺疾患)も原因となります。心不全でも喘鳴が起きるので、心臓の持病がある人の場合は要注意です。
症状から考えられる病気
熱、咽頭痛、咳、痰などの症状がある
痰はほとんどない
気管支喘息の可能性があります。
長い間喘鳴があり、息苦しい
長年タバコを吸っている場合、COPD(慢性閉塞性肺疾患)の可能性があります。タバコを続ける限り悪化していきますし、タバコをやめると症状は少し改善します。
心臓の持病がある
心不全の可能性があります。他に息切れ、両足の
怖い病気
喉頭蓋炎
喉頭炎が悪化すると、気管のフタとしての役割をもつ喉頭蓋に感染が拡がり、喉頭蓋炎になることがあります。喉頭蓋の腫れが強くなると、気管が詰まって、窒息してしまいます。
喘鳴に加えて、息苦しさがどんどん強くなっていくようでしたら、早めに救急車で受診してください。
心不全
心不全では体に水分が貯留して、肺に水が貯まります。気管もむくんでしまうため、喘鳴が聞こえます。他に息切れ、息苦しさ、両足の浮腫、心臓の持病があれば心不全が疑われます。
気管支喘息の大発作
気管支喘息はありふれた病気ですが、大きな
受診の目安
喘鳴の原因はさまざまですが、気管支が細くなっているサインなので、危ない可能性が高いです。必ず医療機関の受診が必要です。
診療科
一般内科・総合診療科
一般内科でも、喘息や気管支炎、肺炎に対する診断・治療は可能です。重症だった場合は、呼吸器内科に紹介してもらえます。
呼吸器内科
気管支喘息の発作をなかなか減らすことが出来ない場合や、息苦しさがかなり強いようなときは、呼吸器内科が適しています。
検査
血液検査
感染による全身の炎症の度合いや心不全の程度などを調べることができます。
胸部レントゲン・CT検査
首のレントゲン検査
喉頭蓋炎が起きているかどうか、調べることができます。
治療
原因の病気に応じた治療がされます。
気管支を拡張する薬や
セルフケア
・禁煙する
・アレルギーの原因(ハウスダストやダニなど)を避ける