のどのいたみ
喉が痛い(数日以内)

喉の痛みは市販薬でいいの?病院に行った方が良い?緩和する方法はある?

喉の痛みが現れたらなんとかして痛みを和らげたくなります。

一体どういう方法が良いのでしょうか?

また、市販薬を飲むことで済むのであればそれに越したことはないですが、病院に行くべき状況なのであれば早めに病院にかかりたいものです。

このページでは喉の痛みとうまく付き合う方法を説明していきます。

 

1. 喉が痛い時に飲む薬は薬局で買えるもので十分なのか?

 

喉の痛みに効く薬は薬局でも買うことができます。

その代表的なものを説明していきます。

 

喉の痛み(咽頭痛)の原因は細菌ウイルスの感染など様々です。

感染症に対しては病院やクリニックを受診による治療が主になりますが、軽度の風邪などの場合には市販薬(OTC医薬品)によって症状を和らげつつ様子をみたり身体の回復を待つのも選択肢の一つです。

ここでは喉の痛みや腫れに対して効果が期待できる市販薬について解説します。

 

ハレナース®

扁桃腺の腫れ、喉の痛みなどに対して効果が期待できるトラネキサム酸という成分を含む製剤です。トラネキサム酸は処方薬(医療用医薬品)のトランサミン®などの成分としても使われています。

ハレナースは他にも甘草(カンゾウ)、ビタミン成分を含みます。

甘草(カンゾウ)はグリチルリチン酸という成分を含む生薬成分です。喉の腫れ、痛みなどを改善します。またビタミンB2・B6、ビタミンCの補給により粘膜の修復を助ける作用などが期待できます。

 

ルルアタック®EX

総合感冒薬として知られるルルシリーズの中でも本剤は喉の腫れや痛みなどを伴う風邪の症状に効果が期待でき、トラネキサム酸とイブプロフェンという2つの成分が中心になっています。

トラネキサム酸は先ほどのハレナースにも使われている薬で、喉の腫れや痛みに対して効果が期待できます。

イブプロフェンはNSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)という種類に分類される薬で、解熱、鎮痛、抗炎症作用などをあらわします。処方薬としてはブルフェン®など、市販薬としてもイブ®シリーズなどの主成分して使われています。

ルルアタックEXはこの他に、鼻炎やアレルギー症状などを抑える抗ヒスタミン薬(クレマスチンフマル酸塩)、痰を出しやすくする去痰薬(ブロムヘキシン塩酸塩)、鼻づまりや咳などを和らげるエフェドリン、咳止めのジヒドロコデインリン酸塩などの成分を含み、喉の痛みだけでなく、発熱、鼻水・鼻づまり、咳や痰といった症状に対しても効果が期待できます。

 

ベンザ®ブロックLプラス

ルルシリーズ同様、ベンザブロックも総合感冒薬として知られる市販薬の一つです。

ベンザブロックシリーズの中にも喉の症状を伴う風邪に適しているのがベンザブロックLプラスになります。

NSAIDs(非ステロイド性抗炎症薬)のイブプロフェンを中心に、鼻づまりや咳などを和らげるエフェドリン(塩酸プソイドエフェドリン)、痰を出しやすくするカルボシステイン、鼻炎やアレルギー症状などを和らげる抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミンマレイン酸塩)、咳止めのジヒドロコデインリン酸塩などの成分を含みます。

喉の痛み以外にも、風邪による発熱、鼻水・鼻づまり、咳や痰、頭痛、関節の痛みなどの症状に対しても効果が期待できます。

 

ここで挙げた製剤以外にも喉の腫れや痛みに対して有効な市販薬は数多くあります。

ロキソプロフェンナトリウムやイブプロフェンなど、いわゆる「痛み止めの薬」多くはNSAIDsに分類され、NSAIDsを含む多くの製剤は喉の痛みに対して有効です。

また、NSAIDs以外にも解熱鎮痛薬であるアセトアミノフェンを含む製剤も喉の痛みには有効になります。

 

市販薬は比較的手軽に購入でき、自身の健康の維持や増進に対してメリットになります。

しかし、溶連菌感染症のように抗菌薬抗生物質)による治療が中心となるような病気では病院やクリニックへの受診が必要になってきます。

たとえ症状が軽度であったとしても、市販薬を飲んでみて数日経過しても良くならなかったり、かえって悪化する場合には早めの病院や受診が必要になってきます。

 

また、子どもや妊婦や高齢者などでは使える薬に制限があり、特に複数の成分が含まれていることが多い市販薬では注意が必要です。

市販薬を購入する場合には自身の体調や体質などを薬剤師や登録販売者に伝え、注意事項などをしっかりと聞いた上で適切な薬を選ぶことが大切です。

 

2. 喉が痛い時に医療機関にかかるべきタイミングとは?

朝から喉の痛みを感じていた佐々木さんは、仕事中に水を飲んだ際に喉の痛みがひどくなっていることに気づきました。

「どうしよう。水も飲めなくなってきたぞ。」

なんだか様子がおかしいので、佐々木さんは昼休みに近くのクリニックに行って診てもらうことにしました。

 

喉が痛む時の多くの場合は病院に行かなくても治ります。

ですが、喉の痛みの中にはまれに危険な病気が潜んでいるので、その病気が疑わしいときには病院に行く必要があります。

病院に行くべきかどうかを判断することは簡単ではありませんが、どういった状態の時は病院に行くべきなのかを考えてみましょう。

 

喉が痛くて水も飲めない時

 

喉が痛くてものを食べられない場合があります。食べられないとどんどん衰弱してしまいます。

しかし、最近はゼリータイプの栄養補充剤などがあり、喉の痛みがある時にも栄養は取りやすくなっています。

そのため、最近では食事が摂れなくても大きな問題ならないことは多くなっています。

 

喉の痛みがひどくなってくると、ものを食べられないだけでなく水も飲めなくなってきます。

水が飲めないと非常にまずい状況になります。

 

  1. 薬が飲めない
  2. 脱水になる

 

この2つの状態は喉の痛みがさらに悪化する危険性があります。

特に脱水が続くとどんどん衰弱していってしまうので、水が飲めないのであれば医療機関にかかると良いでしょう。

 

子どもののどが痛い時

 

子どもの喉が痛い場合も医療機関にかかるようにした方がよいです。

どうしてかかったほうが良いのでしょうか?

 

  1. 子どもは体力がないので重症になりやすい
  2. 子ども喉の痛みの主な原因である溶連菌感染症の治療には抗生物質が必要である
  3. 市販薬の鎮痛薬は子どもに使えないものがある

 

もちろん喉の痛みが軽かったり本人が元気である場合は医療機関にかかる必要はありませんが、上に挙げた問題があるため子どもの喉の痛みが強い場合は一度医療機関にかかったほうが良いです。

詳しく考えてみましょう。

 

  1. 子どもは体力がないので重症になりやすい

子どもは大人よりも体力がないため、病気になると重症になりやすいです。

いつもよりも元気がなくて食事もなかなかとれないような状態になった場合は、医療機関にかかるようにして下さい。

 

  1. 子ども喉の痛みの主な原因である溶連菌感染症の治療には抗生物質が必要である

子どもの喉の痛みの原因として多いのが溶連菌感染症です。

溶連菌感染症は抗生物質を使わないとなかなか治りません。

抗生物質は医療機関にかからないと手に入りませんので、喉の痛みの原因が何なのかを診てもらうこと含めて医療機関にかかる方が無難です。

 

  1. 市販薬の鎮痛薬は子どもに使えないものがある

鎮痛薬は市販薬(OTC)に沢山あります。

しかし、その中でもラックル®やタイレノールA®、ロキソニンS®などは子どもに対して使えません。

それに対して、小児用バファリンチュアブル®や小児用バファリンCⅡ®は子どもに使えます。

薬局で子どもに使える鎮痛薬と言えば薬剤師が選んでくれると思いますが、喉の痛みが強いようならば診断をつけてもらうべきですので、一度医療機関にかかって診てもらったほうが安全と思われます。

 

喉の痛みに加えて声がかれた時

 

喉の痛みに加えて声がかれた時は、危険な症状になることがあります。

声がかれる時は、感染によって喉の奥で炎症が起こっている事がほとんどです。

しかし、まれにがんが隠れていることがあります。

がんが進行すると声を発する時に使う神経(反回神経)を麻痺させることがあり、声がうまく出せなくなります。

声がかれるのがなかなか治らない人は、必ず医療機関にかかると良いでしょう。

 

3. 喉の痛みを緩和する方法

 

喉の痛みを緩和する方法はいくつかあります。

詳しくは唾を飲み込むと喉が痛いときの対処法と治す方法の項で説明していますので、そちらを参考にして下さい。

このページではリストにして簡単に示します。

 

  • 部屋の中を保湿する
  • マスクをする
  • 水分をしっかりと摂る
  • 刺激物を食べるのを避ける
  • 禁煙する/嫌煙する
  • 痛み止めを飲む

 

これらを徹底することで喉の痛みは改善しますので是非試してみてください。

喉の痛みは無理をすると重症になったり苦しい期間がのびるばかりですので、あまり我慢せずに医療機関にかかることをおすすめします。