のどのいたみ
喉(のど)の痛み

喉の痛みの原因:喉風邪?喉の炎症・腫れ?喉が痛い病気?

風邪をひいて喉が痛くなった経験はありませんか?多くの人が経験するようにのどの痛みを起こす病気は多く存在します。喉の痛くなる病気では溶連菌感染症が有名ですが、感染症以外の病気でも喉が痛くなります。

1. 喉が痛い原因は病気?

喉の痛みの原因になる病気には以下のものがあります。

それぞれの特徴を説明します。

2. 喉が痛いときはほかの症状に注目

喉が痛くなったときのことを思い出してください。

29歳男性の佐々木さんは、昨日の送別会で少々飲み過ぎました。

今朝起きると喉が痛みます。

なんで喉が痛いんだろうと思い返してみると、昨日の飲み会でカラオケに行ったことを思い出しました。

「ああ、きっと歌いすぎて喉を傷めたんだな。」

と思った佐々木さんはいつもと変わらず出勤しました。

喉の痛みが出ると、「昨日しゃべりすぎたかな」とか「昨日カラオケに行ったかな」と考えてしまいがちです。

しかし、ほかの症状があって喉も痛い場合は、喉を使いすぎただけではなく病気が潜んでいる可能性が高いので注意が必要です。

喉の痛みがあるときは、ほかの症状に注目すると原因がある程度わかってきます。次のような症状が、喉の痛みと一緒に現れやすいものです。

  • 熱が出る、発熱
  • 身体がだるい、疲労感、倦怠感
  • 頭が痛い、頭痛、頭がズキズキする
  • 喉に違和感がある
  • 咳が出る

3. 喉が痛くなるウイルス感染症

以下のウイルス感染症では喉が痛くなる症状があります。

それぞれの特徴を説明します。

ライノウイルス

ライノウイルスは風邪を起こすウイルスです。

大人の風邪の半分近くはライノウイルスが原因と考えられています。

ライノウイルスが感染したとき出やすい症状は次のものです。

  • 喉の痛み
  • 鼻水
  • 発熱

ライノウイルスに感染すると喘息になることがあります。風邪で喉が痛くなり、さらに喉の奥がひゅーひゅー鳴る症状があれば早めに病院で相談してください。

インフルエンザウイルス

インフルエンザに流行ります。インフルエンザで出やすい症状は以下です。

  • 喉の痛み
  • 鼻水
  • 発熱
  • 筋肉痛
  • 頭痛

インフルエンザはときに重症化して肺炎になってしまいます。

インフルエンザウイルスの感染はインフルエンザワクチンの予防接種を打つことでかなり予防できます。

アデノウイルス(プール熱)

アデノウイルスはに多いプール熱咽頭結膜熱)の原因です。ほかにもアデノウイルスが感染することで以下の症状が出ることがあります。

  • 喉の痛み
  • 目やに
  • 発熱

アデノウイルスは集団感染を起こすことがありますので、こうした症状がある場合には周囲にうつさないように注意が必要です。

HIV

HIVに感染すると、喉の痛みなどインフルエンザに似た症状が出ることがあります。

最初にHIVに感染してから症状の出ない潜伏期間が数週間あります。HIVは免疫のシステムを破壊して、免疫力をじわじわと弱くしてしまいます。

免疫力の低下は徐々に進行していき、やがて免疫力の非常に弱い状態であるAIDSエイズ後天性免疫不全症候群)になります。

HIV感染症について詳しくは「HIV感染症とエイズ(AIDS)の初期症状、検査、治療」で説明しています。

コクサッキーウイルス(ヘルパンギーナ)

コクサッキーウイルスは、ヘルパンギーナという病気の原因です。

ヘルパンギーナに多く、口の中に水ぶくれができて喉が痛くなるのが特徴です。詳しくは「手足口病に似ているヘルパンギーナとは?症状の違いと対策を解説」で説明しています。

EBウイルス(キス病)

EBウイルス(EBV)は、伝染性単核球症の原因です。EBウイルスはキスでうつることがあるため、伝染性単核球症は別名キス病と言われています。伝染性単核球症の症状は次のものです。

  • 喉の痛み
  • 発熱
  • 身体のだるさ

伝染性単核球症はまれに重症になります。喉の痛みのあとに身体の怠さ(倦怠感)が続く場合には医療機関にかかって下さい。

4. 喉が痛くなる細菌感染症

喉の痛みを起こす細菌に次のものがあります。

それぞれの特徴を説明します。

溶連菌

溶連菌は咽頭炎(いんとうえん)や扁桃炎(へんとうえん)、つまり喉の奥の炎症の原因になりやすい細菌です。溶連菌が感染したときに出やすい症状は以下です。

  • 喉が痛い
  • 喉の奥の扁桃扁桃腺)が腫れる

喉が痛いときに鏡で自分の喉の奥を見てみると真っ赤になったり、扁桃腺が腫れていたりしたことがあることでしょう。

溶連菌感染は子どもに多いですが、大人もかかります。

人食いバクテリアとも呼ばれるストレプトコッカス・ピオゲネス(Streptococcus pyogenes)も溶連菌の一種です。ストレプトコッカス・ピオゲネスに感染すると急速に病状が進行して、感染してから1日以内に急激に悪化することがあります。次の症状は危険のサインです。

  • 明らかにいつもよりもぐったりしている
  • 意識がもうろうとしている

喉が痛くなって、ぐったりしたり、意識がぼんやりする症状が出たら、急いで内科などの病院に行ってください。

ジフテリア

ジフテリアは喉の痛みの原因にもなります。ジフテリアで出やすい症状は以下のものです。

  • 喉の痛み
  • 発熱
  • 喉の奥が腫れて息が吸えない

現在の日本では、3種混合あるいは4種混合ワクチンでジフテリアが予防できるおかげで、ジフテリアに感染する人はほとんどいなくなりました。しかしジフテリアが根絶されたわけではなく、予防接種をちゃんと打っておくことはとても大事です。

マイコプラズマ

マイコプラズマは特に30代以下の若い人に多く、肺炎の原因になります。以下の症状が特徴です。

  • 根強い咳
  • 喉の痛み
  • 発熱

マイコプラズマ肺炎は喉の痛みよりも咳が目立つのが特徴です。喉の痛みのあとに咳が長く続く場合には、マイコプラズマ肺炎に罹患していることも考えられます。

クラミジア・淋菌

クラミジアと淋菌(淋病)は性病として感染し、喉の痛みを起こします。最近では、オーラルセックスが原因で性器から喉にクラミジアや淋菌がうつってしまう例が多くなっています。

喉に症状が出る性病について「性病が舌や喉に感染?梅毒、淋病、クラミジア、ヘルペス、HIVに注意」でも説明しています。

クラミジアや淋菌の感染がひどくなると扁桃(扁桃腺)の周囲にの溜まる扁桃周囲膿瘍(へんとうしゅういのうよう)という病気になることがあります。

扁桃周囲膿瘍では次の症状があります。

  • 激しい喉の痛み
  • 物が食べられない
  • 口が開きにくい

扁桃周囲膿瘍になると、抗生剤の治療だけでは不十分で、針を刺して膿を抜いたり手術で膿を取ったりする必要が出て来る場合があります。

扁桃周囲膿瘍になると一大事ですので、喉が痛い時はあまり無理をせずにひどくなる前にお医者さんに診てもらうようにして下さい。

5. 喉(首の前側)が痛くなる亜急性甲状腺炎

喉が痛いと言っても口の中ではなく、首の前側の手で触れる部分が痛くなる病気に亜急性甲状腺炎(あきゅうせいこうじょうせんえん)があります。主な症状は次のものです。

  • 喉の痛み
  • 甲状腺の腫れ
  • 動悸
  • 発熱

甲状腺の病気はバセドウ病橋本病が有名ですが、亜急性甲状腺炎も甲状腺の病気です。亜急性甲状腺炎の原因は感染や炎症などのあとに甲状腺の細胞が破壊されることです。

6. 関節の痛み・発熱・皮疹が出る成人スティル病(成人Still病)

成人スティル病は、膠原病(こうげんびょう)と呼ばれる病気の一つです。

膠原病は自分の免疫が自分の身体を攻撃すること(自己免疫)が原因です。成人スティル病では次のような症状が出ます。

  • 発熱
  • 関節の痛み
  • 皮膚が赤くなる(サーモンピンク皮疹
  • 喉の痛み

7. タバコを吸う人に多い咽頭がん、喉頭がん

喉の奥のがんも喉の痛みの原因になります。喉の奥にできるがんは、できた場所によってさらに分類されます。

喉のがんの原因には喫煙が関係しています。タバコを吸う人に多いがんです。次の症状が出ることがあります。

  • 喉の痛み
  • 飲み込む力が低下する(嚥下障害
  • 声がかすれる、声が枯れる(嗄声)

喫煙者が突然声がれを自覚した場合には、医療機関で一度検査をしてもらったほうが良いです。

8. 発熱・体重減少を起こす悪性リンパ腫

悪性リンパ腫というがんの一種でも、喉の痛みが出ることがあります。悪性リンパ腫は、血液の中にあるリンパ球という細胞が、異常な細胞になって増えていく(悪性化する)病気です。

リンパ球は全身にありますので、悪性リンパ腫では全身に多彩な症状が起こります。出やすい症状は以下のものです。

  • 発熱
  • 体がだるい、疲れやすい、倦怠感、疲労感
  • 体重減少、やせる
  • 喉の痛み

9. 喉の痛みを甘く見てはいけない

喉の痛みの原因の中には、放っておいてはいけない怖い病気があります。

喉が痛いとき、大半は風邪などが原因ですが、喉の痛みが続くときほかに気になる症状があるときは、早めに内科などで診察を受けてください。