あたまがいたい
頭が痛い(数日以内)

片頭痛(偏頭痛)は長く続いていてもいつか治る?

片頭痛は何年も続くことが多いですが、年を重ねるにつれて、痛みが軽くなっていく人、発作が起きる回数が少なくなっていく人が多いです。ただし、まれに片頭痛が悪化して、「慢性片頭痛」と呼ばれる状態になってしまう人もいます。

1. 片頭痛は治るのか?

アメリカのある調査1)を基に年代別に片頭痛の人の割合を比較すると、男性では30代で9%なのに対して60歳以上では2.1%と低く、女性では30代で38.1%いるのに対して60歳以上では6.4%にとどまります。時代によって片頭痛になる人の割合が変わらないとすれば、30代の時に片頭痛で苦しんでいた人の多くは、60歳を超えるまでに片頭痛に悩まされなくなっているのかもしれません。

実際に一人ひとりの患者さんに話を聞いても、長年片頭痛と付き合っているうちに、昔に比べれば楽になってきたという人が多いです。

片頭痛を根治する方法はわかっていません。そのため発作をなるべく少なく、痛みの強さをなるべく軽くするために治療が行われます。治療を続けるうちにしだいに楽になっていく場合もあります。

参考文献
1)Migraine prevalence, disease burden, and the need for preventive therapy. Neurology. 2007 Jan 30. [PMID 17261680]

2. 慢性片頭痛とは

慢性片頭痛とは、片頭痛の発作が増えていって、長い期間にわたって日常的に片頭痛に悩まされている状態です。

慢性片頭痛の症状は、典型的な片頭痛とは違って、ギューッと締め付けられる感じの痛みのこともあります。これは緊張型頭痛の痛みとも似た特徴です。しかし慢性片頭痛が実は緊張型頭痛だったという意味ではありません。慢性片頭痛の多くは、片頭痛の治療薬であるトリプタン製剤によって症状が改善することから、緊張型頭痛というよりも片頭痛の一種として考えられています。

なお片頭痛が長引いている人は薬物乱用頭痛にも気を付ける必要があります。詳しくは薬物乱用頭痛のページで説明します。