2016.05.07 | ニュース

糖尿病で高血圧の患者さんの血圧は140mmHgより下げない方がよい

73,738人が対象の研究を解析

from BMJ (Clinical research ed.)

糖尿病で高血圧の患者さんの血圧は140mmHgより下げない方がよいの写真

糖尿病で高血圧の患者さんは、脳卒中や心筋梗塞などの病気にかかりやすくなります。スウェーデンの研究チームが、血圧を下げる治療が、死亡率と病気にかかるリスクにどのように影響するかを調べました。

◆糖尿病の患者さん73,738人のデータを解析

この研究では、過去に行われた研究報告からデータを集め、糖尿病の患者さん73,738人(半数が2型糖尿病)を対象とした治療の結果を解析しました。

病気や死亡のリスクを、高血圧の治療を受ける前の収縮期血圧(上の血圧)から比較しました。

 

◆140mmHg未満では心血管死リスクが増加

治療前の収縮期血圧が140-150mmHgで降圧治療をした場合、心筋梗塞や心不全にかかるリスク、また全体として死亡するリスクが減りました。しかし、140mmHg未満では心筋梗塞・脳卒中などにより死亡するリスクが増加し、死亡するリスクは全体として減っているとは言えませんでした。

 

糖尿病の患者さんにとっての血圧コントロールは140mmHgより下げすぎないほうがよいという結果でした。

日本では2014年のガイドラインによると、糖尿病で高血圧の方の降圧治療の目標値は130mmHg未満とされています。しかし、140mmHgより低い血圧の人に本当に血圧コントロールが必要かどうかは、今後改めて検証されることになるかもしれません。

参考文献

Effect of antihypertensive treatment at different blood pressure levels in patients with diabetes mellitus: systematic review and meta-analyses.

BMJ. 2016 Feb 24.

[PMID: 26920333]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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