2016.04.05 | ニュース

大腸がんの調査をしたら、テレビを週21時間以上見る女性に多かった

女性7万人のデータから

from International journal of cancer

大腸がんの調査をしたら、テレビを週21時間以上見る女性に多かったの写真

大腸がんの原因は不明ですが、どんな人に多いかがさまざまな角度から研究されています。運動量が関係するのではないかという観点から、テレビを見る時間との関連について、調査データの解析が行われました。

◆テレビを見る時間と大腸がんに関係はあるか?

ここで紹介する研究は、アメリカで行われた2件の長期追跡調査のデータを解析したものです。女性を対象に1992年から2010年に行われた調査と、男性を対象に1988年から2010年に行われた調査からデータを得ました。69,715人の女性と36,806人の男性が対象とされました。

大腸がんが発生する頻度に、テレビを見る時間によって違いがあるかが検討されました。

 

◆女性でだけ統計的関連あり

次の結果が得られました。

座ってテレビを見る時間が週当たり7時間未満に対して21時間以上を比較したとき、多変量ハザード比は女性で1.21(95%信頼区間1.02-1.43、Ptrend=0.01)、男性で1.06(95%信頼区間0.84-1.34、Ptrend=0.93)だった。

女性では座ってテレビを見る時間が長いほうが大腸がんが多く発生する傾向が見られ、座ってテレビを見る時間が週当たり7時間未満の女性と21時間以上の女性を比べると、21時間以上の女性のほうが21%高い率で大腸がんが発生していました。

男性ではこの傾向は見られませんでした。

 

運動を増やすことで大腸がんを予防できるかは、このデータだけからは結論できません。しかし、ほかにもさまざまな病気の予防にもつながる点で、適度の運動は多くの人に勧められます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Sedentary behaviors and light-intensity activities in relation to colorectal cancer risk.

Int J Cancer. 2016 May 1.

[PMID: 26649988]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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