◆筋膜に超音波治療
今回の研究は、背中の上部分に位置する筋肉(僧帽筋)に、圧痛点(押すと痛みの症状が出る箇所)がある59人を対象におこなわれました。対象者はふたつのグループに分けられました。ひとつのグループは15日間、超音波治療を毎日6分受けました。もうひとつのグループは、15日間、偽の超音波治療を受けました。治療前、治療直後、そして、治療3ヶ月後に休憩時、運動時での痛みなどが評価されました。
◆超音波治療は効果的!
次の結果が得られました。
治療前と比べて、どちらの群でも、追跡調査の際に痛み評価、圧痛の評価、そして、ベックのうつ病自己評価尺度のスコアが減少し(p<0.01)、加圧疼痛閾値が増加した(p<0.01)。。コントロール群と比べて、治療を受けた群の圧痛の評価、ベックのうつ病自己評価尺度のスコアが有意に低かった、そして、加圧疼痛閾値が有意に高かった(p<0.001)。
超音波治療を受けたグループは受けなかったグループに比べて、圧痛の評価が改善したという結果でした。
超音波治療は筋筋膜性疼痛症候群の治療に有効な可能性があります。治療の選択肢として参考にされるかもしれません。
執筆者
Efficacy of conventional ultrasound therapy on myofascial pain syndrome: a placebo controlled study.
Agri. 2015.
[PMID: 26860492]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。