2016.03.10 | ニュース

歯周炎は心筋梗塞のリスクを上げる?

1,610人を検証

from Circulation

歯周炎は心筋梗塞のリスクを上げる?の写真

細菌感染により歯の周囲に炎症が起きる歯周炎。この状態が続くと、心筋梗塞等の原因になる可能性があると言われています。スウェーデンの研究チームが歯周炎と心筋梗塞の関連を検証しました。

心筋梗塞や動脈硬化症の患者さんは口腔状態がよくない傾向があります。そこで、歯周病と循環器疾患との関連が注目され多く研究されています。

 

◆75歳未満の805人が対象

研究チームは、はじめて心筋梗塞になった人805人と心筋梗塞の経験がない人805人を対象に、パノラマX線検査を含む歯科検査を行ない、歯周炎の頻度を調べました。統計解析により歯周炎と心筋梗塞の関連について検証しました。

 

◆歯周炎の人は心筋梗塞リスクが高かった

心筋梗塞になった人の43%に歯周炎があったことに対して、心筋梗塞がない人では33%で、心筋梗塞がある人のほうが多く歯周炎が見つかりました。

歯周炎は、心筋梗塞患者(43%)で対照群(33%)よりも多かった(P<0.001)。

計算上、喫煙習慣や糖尿病等の影響を考慮して調整した後でも、歯周炎がある人の心筋梗塞リスクは高いという結果でした。

 

歯周病が心筋梗塞と関連する可能性がある、ということは長く言われており、今回の検証で、その根拠が加わりました。ただし、どのようにして歯周病が心筋梗塞をひきおこすかという因果関係についてはまだはっきりと分かっていません。ともあれ歯周病をきちんと治療することは、口内以外の病気予防の意味もあるのかもしれません。

参考文献

Periodontitis Increases the Risk of a First Myocardial Infarction: A Report From the PAROKRANK Study.

Circulation. 2016 Feb 9.

[PMID: 26762521]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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