2016.03.08 | ニュース

玄米などの全粒穀物をたくさん食べると心筋梗塞のリスクが減るか?

54,871人のデンマーク人を対象に検証

from The American journal of clinical nutrition

玄米などの全粒穀物をたくさん食べると心筋梗塞のリスクが減るか?の写真

食習慣は心筋梗塞などの病気のリスクと関連していると考えられています。今回の研究で、全粒穀物を食べると心筋梗塞になるリスクに違いが見られるか調査されました。

◆全粒穀物をたくさん食べると心筋梗塞が減る?

今回の研究は、50歳から64歳の54,871人のデンマーク人を対象としました。対象者は約13年間の間追跡され、心筋梗塞を発症する頻度と全粒穀物との関連が調べられました。全粒穀物は、穀物でも玄米のように皮や胚の部分を除去していないものです。全粒穀物の摂取量は食事頻度アンケートによって見積もられました。

 

◆全粒穀物を多く食べることが心筋梗塞のリスク低下と関連

次の結果が得られました。

総全粒穀物製品の摂取量が高いほど心筋梗塞のリスクが有意に減っていることが、男性と女性で見られた。

全粒穀物を多く食べていた人は、少ない人に比べて、心筋梗塞の発生が少なかったということが報告されました。

 

全粒穀物を多く食べている人と少ない人を比べた時に心筋梗塞になるリスクに差があったという結果でした。しかし、このデータには食生活以外の要素も関与している可能性があります。そのため、この結果だけで全粒穀物を食べることで心筋梗塞のリスクが低下すると言い切ることはできません。全体の食生活のバランスをとりながら、全粒穀物が含まれている製品を取り入れることが健康につながるかもしれません。

執筆者

宮本 望都喜

参考文献

Intake of whole grains is associated with lower risk of myocardial infarction: the Danish Diet, Cancer and Health Cohort.

Am J Clin Nutr. 2016 Feb 17. [Epub ahead of print]

[PMID: 26888710]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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