2016.02.06 | ニュース

腰痛のリハビリには心のケアも大事?

109人を対象に検証

from The Clinical journal of pain

腰痛のリハビリには心のケアも大事?の写真

痛みの感じ方には個人差があります。同じけがや病気でも人によってはひどく感じたり、それほど痛みを感じない場合もあります。うつ症状が腰の痛みの感じ方に影響しているかが調べられました。

◆うつ症状と腰痛の痛み

今回の研究は、長い間腰痛を抱えている患者、109人が対象とされました。対象者は4週間のリハビリで身体機能の改善、痛みの治療や心理的サポートなど総合的な治療を受けました。そして、リハビリを受ける前と後にうつ症状、痛みなどの評価が行われました。

 

◆うつ症状が腰痛の痛みの変化に影響

次の結果が得られました。

うつ症状の変化は、感情的な痛み(β=0.368; 95% 信頼区間、0.206-0.480; P=0.006)、感覚的な痛み(β=0.348; 95% 信頼区間、0.257-0.523; P=0.002)、評価的な痛み(β=0.456; 95% 信頼区間、0.285-0.605;P=0.002)の重症度の変化を有意に予測した。

うつ症状の変化と感情的な痛みの関係は痛み自己効力質問票の変化が間接的に影響した(β=0.203; 95% 信頼区間、0.082-0.337; P=0.002)。

うつ症状は痛みの量の感じ方に影響しているということが報告されました。また、この関連には痛みがあっても普通の生活を送れる自信があるかどうかが間接的に影響しているということも報告されました。

 

痛みの感じ方はうつ症状によって大きく変化してしまうことが考えられます。また、痛みとうまく付き合いながら普段の生活を送るための自信をつけることも大切かもしれません。

心理的サポートが腰痛を持っている人の痛みを改善するためにも重要なのかもしれません。

 

執筆者

宮本 望都喜

参考文献

Pain self-efficacy mediates the relationship between depressive symptoms and pain severity.

Clin J Pain. 2015 Feb.

[PMID: 24751545]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

▲ ページトップに戻る