2016.02.01 | ニュース

がん手術を受けた女性の心を健康にするプログラム

デンマーク51人の経過から

from Psycho-oncology

がん手術を受けた女性の心を健康にするプログラムの写真

子宮頚がんなど、婦人科で治療するがんは20代ごろの若い女性にも起こります。がんを診断され、治療されることは心に重い負担をかけてしまいます。デンマークで、手術のあとのケアによって精神状態を改善する研究が行われました。

◆がん手術後の女性をケア

研究班は、婦人科のがんの手術を受けた20歳から75歳の女性を対象にして、手術後のリハビリテーションプログラムの効果を検討しました。プログラムの中で、治療される女性は看護師と対面で2回、電話で2回の相談をしました。

研究参加から5か月後までの間で、精神科で使う質問票により、うつ症状などの精神状態の変化があったか調べられました。

 

◆固着不安、PTSDに効果

次の結果が得られました。

卵巣がんのある女性のうちで固着不安ディメンジョンの有意な改善があり、子宮内膜がんの患者でPTSDの有意な減少があり、すべての種類のがん患者でうつ症状の有意でない変化があった。

卵巣がんの手術を受けた人と、子宮体がんの手術を受けた人で、精神状態の改善が見られました

 

がんの治療はしばしば長期間に及ぶため、手術そのものだけでなく、治療後の全身の状態や心の状態を良くすることも重要です。ここで紹介したような試みが今後さらに進められ、多くの人の役に立つかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Rehabilitation of women with gynaecological cancer: the association between adult attachment, post-traumatic stress disorder and depression.

Psychooncology. 2015 Oct 9. [Epub ahead of print]

[PMID: 26449611]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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