2016.01.29 | ニュース

塩分取りすぎだと肥満になりやすい?ナトリウムと肥満の関係

韓国人を対象に検証

from The British journal of nutrition

塩分取りすぎだと肥満になりやすい?ナトリウムと肥満の関係の写真

ナトリウムは食塩に含まれている成分の一部で、食塩相当量(塩分量)に換算することができます。塩分の取りすぎは高血圧や心血管疾患(脳卒中や心筋梗塞など)に関連していると考えられていますが、肥満にも関連しているのかが調べられました。

◆ ナトリウムが肥満に関連

今回の研究は、食事によるナトリウム摂取、また、尿に含まれているナトリウム量と肥満の関連を調べるために行われました。2010-2011年度に行われた韓国国民健康・栄養調査を受けた児童、また、青年が対象者となりました。食事によるナトリウム摂取量、尿に含まれているナトリウム量とBMI(体重÷身長の2乗)、ウエスト、また、総体脂肪率のデータが調べられ、肥満との関連性を調べるため統計的解析がされました。

 

◆ ナトリウムが必要以上に体に蓄積された脂肪と関連

次の結果が得られました

尿に含まれているナトリウムが一番高い三分位群にいる対象者は一番低い三分位群の対象者に比べて高い肥満度のオッズ比が統計的に有意に高かった。BMIでは多変量調整オッズ比 3.13 (95% 信頼区間1.81、5.50)、腰囲では2.15 (95% 信頼区間 1.27、3.66)、総体脂肪率では1.92 (95% 信頼区間1.29、2.86)。24時間思い出し法によって見積もったナトリウム摂取量も肥満度と統計的に有意な関連があった、BMIにおいて(多変量調整オッズ比 2.79 (95% 信頼区間1.66、4.68)、そして腰囲においては2.14 (95% 信頼区間 1.25、3.67)。

統計解析から、食事によるナトリウム摂取量と尿に含まれるナトリウム量が多い事は、必要以上に脂肪が体に蓄積していることに関連していました。

 

この研究は韓国で行われたものですが、日本人は他の国の人に比べて、塩分の摂取量が比較的多いとされていますので、日本人にとっても身近な話かもしれません。

今回の研究では、ある一時点での瞬間的なデータを取ったものに過ぎないので、塩分が原因で太りやすくなるのか、太ることで塩分を取るようになるのか、どちらにも別の原因があるのかは区別できません。データの解析は年齢や性別などが考慮されたものですが、食生活において他の要因が関わっている可能性はあります。今後、肥満と食生活の関連をより正確に調べるには、長期的な研究で考察することも必要なのかもしれません。

執筆者

宮本 望都喜

参考文献

Relationship of sodium intake with obesity among Korean children and adolescents: Korea National Health and Nutrition Examination Survey.

Br J Nutr. 2016 Jan 13. [Epub ahead of print]

[PMID: 26759221]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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