2016.01.03 | ニュース

歯を失った人は脳卒中になりやすい

15,456人を分析

from European journal of preventive cardiology

歯を失った人は脳卒中になりやすいの写真

これまで、歯周炎のような歯の健康状態と糖尿病や心筋梗塞が関係していると言われています。今回の研究では、歯の本数と心臓や脳の障害との関連性を検証しました。

◆歯の本数と心筋梗塞、脳卒中の関連性は?

歯周炎によって歯の健康状態が悪いと、炎症物質が血管のなかに入り込み、心筋梗塞などの血管障害が起こると言われています。歯周炎では、進行すると歯茎が弱くなり歯が抜けることもあります。

今回の研究では、安定型の心筋梗塞や狭心症の患者15,456人を対象に、歯の本数と心筋梗塞や脳卒中の発症との関連性を検証しました。

 

◆歯の本数が少ないと脳卒中になりやすい

以下の結果が得られました。

歯がない人では、歯が26-32本ある人と比較して、主要アウトカム(ハザード比1.27、95%信頼区間1.08-1.49)、心血管疾患による死(ハザード比1.85、95%信頼区間1.45-2.37)、すべての原因による死亡(ハザード比1.81、95%信頼区間1.50-2.20)、脳卒中(ハザード比1.67、95%信頼区間1.15-2.39)のリスクが有意に高かった。

歯がない人では、心筋梗塞などで死亡する危険性や、脳卒中を発症する危険性が高いという結果でした。

 

歯がないことと血管の病気が直接関連しているかは不明ですが、その背景には歯周炎や口周りの不衛生などが関連している可能性があります。このような研究結果を参考に、歯の健康状態に気をつけても良いかもしれません。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Tooth loss is independently associated with poor outcomes in stable coronary heart disease.

Eur J Prev Cardiol. 2015 Dec 16

[PMID: 26672609]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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