2015.12.23 | ニュース

ジップラインでケガをするのはどんな人?

16,850件の事故を分析

from The American journal of emergency medicine

ジップラインでケガをするのはどんな人?の写真

ジップラインはワイヤーロープを落差のある山中などに張り渡し、専用の装備を着けて滑車を使ってすべるアクティビティで、日本ではレジャー施設などで見かけられます。今回、はじめて米国の研究チームがジップラインに関連する怪我について分析しました。

◆推定16,850件の事故を分析

研究チームは1997~2012年の間に米国の救急部門が対応した推定16,850件のジップラインに関連する事故を分析しました。

 

◆落ちて腕を骨折する人が多い

負傷した45%が0~9歳のこども、53.1%が女性、入院が必要となった患者さんは11.7%という結果でした。

骨折が46.7%を占め、身体の中で最もケガが多いのが腕でした(44.1%)。

落下によるケガが77.3%を占め、事故の発生場所は30.8%が住宅で、69.2%が公共の場所でした。

住宅が発生場所とあるのは、米国では自宅の庭に設置しているところがあるためです。

ジップラインの事故を全国のデータベースから分析したはじめての論文で、研究チームは安全に楽しむためのガイドラインと規制の必要性を示唆しています。

 

日本では通常、このアクティビティを楽しむ前にはスタッフによる事前講習があります。体重を動力源とするため、軽すぎると途中で止まり、重すぎるとスピードがつきすぎてしまうので、体重制限があります。

スタッフの指導のもと専用の装備を正しく身に着け、事前講習をしっかり聞いて安全に楽しみたいですね。

参考文献

Zipline-related injuries treated in US EDs, 1997-2012.

Am J Emerg Med. 2015 Dec

[PMID: 26447976]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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