◆変形性関節症の手術後の痛みに対するドッグセラピーの効果を検証
今回の研究は、片側の変形性膝関節症または変形性股関節症の人工関節置換術を行った患者72人を対象に行われました。
対象を、15分間のドッグセラピーと理学療法を行う群と理学療法のみを行う群にランダムに分け、痛みに対する効果を検証しました。 ドッグセラピーの内容は、犬が患者の近くに座り、患者は犬と話をするなどの触れ合いを行いました。
◆ドッグセラピーを行うと痛みがより改善
以下の結果が得られました。
治療群の患者ではそれぞれの理学療法セッション後のVASが有意に低く、最終的なVASスコアは3回目の理学療法セッション後2.4ユニットの差があった(動物支援セラピーのVAS1.7、標準偏差0.97、95%信頼区間1.4-2.0 vs 対照群のVAS4.1、標準偏差0.97、95%信頼区間3.8-4.4、p<0.001)。
ドッグセラピーを行うと、理学療法のみを行うよりも、痛みの改善に有効であるという結果でした。
変形性関節症の手術後は、痛みが回復するまでに時間がかかることがあります。アニマルセラピーは様々な場面で活用されていますが、このような痛みにも有効である可能性が示されたことは、今後の検証次第によって、治療の選択肢として用いられる日も遠くないかもしれません。
執筆者
Can therapy dogs improve pain and satisfaction after total joint arthroplasty? A randomized controlled trial.
Clin Orthop Relat Res. 2015 Jan
[PMID: 25201095]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。