2015.09.28 | ニュース

脂肪肝で胆石症の人はどのくらいいるか?

イタリアの研究チームが161人を分析

from Journal of gastroenterology and hepatology

脂肪肝で胆石症の人はどのくらいいるか? の写真

『胆石症診療ガイドライン』では、非アルコール性脂肪肝患者に胆石症の保有率が多いと記載されています。その根拠のひとつとなる、非アルコール性脂肪性肝疾患の患者に胆石症を保有している人がどのくらいいるか調べた2005年の論文を紹介します。

◆非アルコール性脂肪性肝疾患で胆石症がある人の特徴を調査

非アルコール性脂肪性肝疾患と診断された161人のなかで、胆石症の人とそうではない人の年齢や血液検査値を比較しました。

 

◆非アルコール性脂肪性肝疾患のなかで胆石症がある人は約5分の1

以下の結果が得られました。

胆石症の全体の割合は19.88%であり、より年齢が高い(p<0.01)女性患者でより高かった(p<0.05)。

多変量解析により、これらの要因のなかで非アルコール性脂肪性肝疾患の胆石症と独立して関連していた要因は、男性では尿酸値、女性ではapo-Bのみであった。

非アルコール性脂肪性肝疾患のなかで胆石症のある人は約5分の1であり、高齢の女性に多く、ほかに胆石症に関連する要因は男性では尿酸値、女性ではアポリポタンパク質B(動脈硬化の危険因子と言われている物質)でした。

 

これらの結果も踏まえて、『胆石症診療ガイドライン』では、「脂質異常症患者(特にIV型、高グリセリド血症)や非アルコール性脂肪肝患者では、健常人と比較して、胆石の保有率が高値であり、また胆石形成のリスクファクターであると考えられている」と記載されています。

執筆者

Shuhei Fujimoto

参考文献

Gallstone disease in non-alcoholic fatty liver: prevalence and associated factors.

J Gastroenterol Hepatol. 2005 Aug

[PMID: 16048564]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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