◆非アルコール性脂肪性肝疾患で胆石症がある人の特徴を調査
非アルコール性脂肪性肝疾患と診断された161人のなかで、胆石症の人とそうではない人の年齢や血液検査値を比較しました。
◆非アルコール性脂肪性肝疾患のなかで胆石症がある人は約5分の1
以下の結果が得られました。
胆石症の全体の割合は19.88%であり、より年齢が高い(p<0.01)女性患者でより高かった(p<0.05)。
多変量解析により、これらの要因のなかで非アルコール性脂肪性肝疾患の胆石症と独立して関連していた要因は、男性では尿酸値、女性ではapo-Bのみであった。
非アルコール性脂肪性肝疾患のなかで胆石症のある人は約5分の1であり、高齢の女性に多く、ほかに胆石症に関連する要因は男性では尿酸値、女性ではアポリポタンパク質B(動脈硬化の危険因子と言われている物質)でした。
これらの結果も踏まえて、『胆石症診療ガイドライン』では、「脂質異常症患者(特にIV型、高グリセリド血症)や非アルコール性脂肪肝患者では、健常人と比較して、胆石の保有率が高値であり、また胆石形成のリスクファクターであると考えられている」と記載されています。
執筆者
Gallstone disease in non-alcoholic fatty liver: prevalence and associated factors.
J Gastroenterol Hepatol. 2005 Aug
[PMID: 16048564]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。