2015.08.09 | ニュース

逆流性食道炎の治療、手術と薬ではどちらが効く?治療5年後の比較

267人のランダム化試験

from Clinical gastroenterology and hepatology : the official clinical practice journal of the American Gastroenterological Association

逆流性食道炎の治療、手術と薬ではどちらが効く?治療5年後の比較の写真

胃食道逆流(逆流性食道炎など)の治療に、腹腔鏡手術による方法と、胃酸の分泌を抑える薬剤があります。これらの効果を治療開始5年後で比較した研究から、どちらも有効だったが、腹腔鏡手術のほうが効果が大きかったことが報告されました。

◆治療5年後の検査で比較

研究班は対象者をランダムに2グループに分け、腹腔鏡手術か、エソメプラゾールという薬で治療しました。治療の効果を、治療開始から5年後に行った胃食道逆流の検査で比較しました。

 

◆腹腔鏡手術のほうが改善

次の結果が得られました。

LARS群(116人)では、24時間食道内酸曝露時間の中央値はベースラインで8.6%、6か月後と5年後で0.7%だった(ベースラインに対してP<0.001)。エソメプラゾール群(151人)では、24時間食道内酸曝露時間の中央値はベースラインで8.8%、6か月後に2.1%、5年後に1.9%だった(治療後でベースラインに対してP<0.001、LARSとエソメプラゾールの比較でP<0.001)。

検査の結果は、腹腔鏡手術のグループでも、エソメプラゾールのグループでも治療前と比べて改善していましたが、腹腔鏡手術のほうが大きい改善が見られました

 

腹腔鏡手術と薬剤にはそれぞれ特有のリスクと利点があります。効果の差についても、ここで報告されたような情報が治療法を選択するうえで参考になるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Gastro-esophageal Acid Reflux Control 5 Years After Anti-Reflux Surgery, Compared With Long-Term Esomeprazole Therapy.

Clin Gastroenterol Hepatol. 2015 Jul 27 [Epub ahead of print]

[PMID: 26226096]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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