◆自然気胸の患者が対象
自然気胸は、肺などに傷がつき、空気が胸腔に漏れてしまう状態です。たまった空気が心臓や大きな血管を圧迫する緊張性気胸という状態になると死に至ることもあり、緊急の治療が行われます。一度発症すると3年間で50%が再発するとも言われています。
研究班は、自然気胸の患者185人に胸腔鏡下手術を行い、経過を追跡しました。
◆10年間で96%は再発なし
追跡調査から、次の結果が得られました。
フォローアップ期間の平均は70.8か月(±33.5か月)だった。胸膜下の気腫性変化がすべての組織病理標本に見られた。加えて、70.8%が臓側胸膜に線維化を呈した。再発は4人の患者(2.2%)に起こった。10年間再発がなかった人は96.2%だった。手技関連合併症率は7.6%だった。およそ85.7%の患者が手技と美容上の結果について満足した。3人の患者がフォローアップ中に死亡した(1.6%)。
平均70か月あまりの追跡期間のうちに、自然気胸の再発があった人は4人、死亡した人は3人で、96.2%の人は10年間再発がありませんでした。
胸腔鏡下手術は比較的新しい技術で、以前の手術よりも傷口を小さくすることができる利点を活かして使われています。自然気胸の治療にとって、今後も重要な選択肢であり続けるかもしれません。
執筆者
Initial management of primary spontaneous pneumothorax with video-assisted thoracoscopic surgery: a 10-year experience.
Eur J Cardiothorac Surg. 2015 Jun 20 [Epub ahead of print]
[PMID: 26094014]
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