2015.07.17 | ニュース

慢性的な不眠には、瞑想が有効

ランダム化比較試験により検証

from Sleep

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不眠症は睡眠障害のひとつで、生活の質を下げる要因になります。今回の研究では、その不眠症に対して、瞑想を行うと、睡眠に関するセルフモニタリングを行うよりも睡眠時間、不眠重症度などに効果があったことが報告されました。

◆瞑想群とセルフモニタリング群にランダムに振り分け

今回の調査では、不眠症患者54名を、瞑想群2群(ストレス軽減のための瞑想群:MBSR群、不眠症のための瞑想群:MBTI群)と睡眠日記をつけるセルフモニタリング群の3群にランダムに分類し、それぞれ8週間の介入を行いました。

 

◆瞑想群がセルフモニタリング群よりも不眠症に有効

調査の結果、以下のことを報告しました。

[...]瞑想に基づいた介入群(MBSR群、MBTI群)では、セルフモニタリング群と比較して、全起床時間(43.5分 vs 1.09分)、睡眠前覚醒スケール(7.13 vs 0.16)、不眠重症度指数(4.56 vs 0.06)について、ベースラインから介入後の有意に大きな減少を認めた。

[...]ベースラインから介入後のMBSR群とMBTI群を比較すると、有意差は認められなかった。

ベースラインから6ヶ月後の不眠重症度指数の改善については、MBTIはMBSRよりも有意な減少(p<0.05)が認められ、3ヶ月時点で最も大きく差が現れた。

瞑想を行う2群では、セルフモニタリング群よりも、治療開始前と比べて起床時間や不眠の重症度により大きな改善が見られました

また、介入直後では瞑想群の2群間の効果に差は見られませんでしたが、6ヶ月後では、不眠症のための瞑想を行う群で、ストレス軽減のための瞑想を行う群よりも、不眠重症度により大きな改善がありました。

筆者らは、「瞑想をもとにした治療は、慢性的な不眠症の成人に対して、実行可能な治療であり、不眠症に対する従来の治療に加えて選択肢を与えることができる」と結論付けています。

 

不眠症に悩む方は年々多くなってきているようです。瞑想がその不眠症に効果的であるか、まだ意見は統一されていませんが、一定の見解が待たれます。

執筆者

MT

参考文献

A randomized controlled trial of mindfulness meditation for chronic insomnia.

Sleep. 2014 Sep 1

[PMID: 25142566]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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