2015.07.04 | ニュース

ハイビスカスの成分が前立腺がんの成長を抑えた

台湾でマウスの実験

from Nutrients

ハイビスカスの成分が前立腺がんの成長を抑えたの写真

ハイビスカスの仲間でハーブティーに使われるローゼルという植物の葉は、さまざまな面から健康に良いという報告があります。台湾の研究班が、ローゼルの葉の抽出物(HLE)にがんを抑える効果があるかどうかを、マウスで実験しました。その結果、HLEを与えたマウスでは、人間の前立腺がんからマウスに移植した細胞の増殖が抑えられました。

◆マウスにがん細胞を移植

研究班は、人間の前立腺がんから培養した細胞である「LNCaP細胞」をマウスに移植してがんを成長させました。そののちマウスを普通のエサを与えるグループと、HLEを加えたエサを与えるグループに分け、がんに違いが現れるかどうかを調べました。

 

◆がんが小さく、関係する物質が減少

HLEを与えたグループでは、実験した42日の間で、普通のエサを与えたグループよりもがんが小さくなっていました。また、がんの転移に関わると考えられているタンパク質のPI3K、p-Akt、NF-κB、MMP-9が少なくなっていました。

研究班は「HLEの抑制効果は、LNCaP細胞の成長と、転移に関連する分子タンパク質の発現をin vivoで抑制したことによって証明された」と述べています。

 

HLEの中にあるどの物質が、どんな作用によってこの変化を起こしていたのかはわかりません。しかし、より確かなことがわかってくれば、数多くの物質ががん治療の候補に挙げられていく中で、HLEからも新たな候補が生まれるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Hibiscus sabdariffa Leaf Extract Inhibits Human Prostate Cancer Cell Invasion via Down-Regulation of Akt/NF-kB/MMP-9 Pathway.

Nutrients. 2015 Jun

 

[PMID: 26115086]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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