◆マウスにがん細胞を移植
研究班は、人間の前立腺がんから培養した細胞である「LNCaP細胞」をマウスに移植してがんを成長させました。そののちマウスを普通のエサを与えるグループと、HLEを加えたエサを与えるグループに分け、がんに違いが現れるかどうかを調べました。
◆がんが小さく、関係する物質が減少
HLEを与えたグループでは、実験した42日の間で、普通のエサを与えたグループよりもがんが小さくなっていました。また、がんの転移に関わると考えられているタンパク質のPI3K、p-Akt、NF-κB、MMP-9が少なくなっていました。
研究班は「HLEの抑制効果は、LNCaP細胞の成長と、転移に関連する分子タンパク質の発現をin vivoで抑制したことによって証明された」と述べています。
HLEの中にあるどの物質が、どんな作用によってこの変化を起こしていたのかはわかりません。しかし、より確かなことがわかってくれば、数多くの物質ががん治療の候補に挙げられていく中で、HLEからも新たな候補が生まれるかもしれません。
執筆者
Hibiscus sabdariffa Leaf Extract Inhibits Human Prostate Cancer Cell Invasion via Down-Regulation of Akt/NF-kB/MMP-9 Pathway.
Nutrients. 2015 Jun
[PMID: 26115086]
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