◆施設で骨盤の検査を受けた女性全員が対象
研究班は次のようにクラミジアの検査を行いました。
2012年の7月20日から12月31日の間に、研究に参加した2か所の州立性感染症診療施設で骨盤の検査を受けたすべての女性が、肛門性交の経験の有無にかかわらず、 Gen-Probe Aptima COMBO 2 Assayによる直腸のクラミジア・トラコマチス感染のスクリーニングを受けた。
研究に参加した2か所の性感染症診療施設で骨盤の検査を受けた女性全員を対象として、直腸のクラミジアの検査を行いました。
◆対象者の1割以上に直腸の感染あり
検査から次の結果が得られました。
合計3,055人の女性が直腸のクラミジア感染のスクリーニングを受けた。直腸にクラミジアが見つかった割合は11.7%から13.5%だった。直腸のみの感染は133例で、尿生殖器系の感染300例に44.3%を加えて合計が433例となった。
検査を受けた3,055人の女性のうち、2施設それぞれで11.7%と13.5%の人に、直腸のクラミジア感染が見つかりました。直腸にだけ感染していた人は133人、尿生殖器系に感染していた人は300人で、クラミジアに感染していた人は合わせて433人でした。
研究班は「この結果は、感染症診療施設で骨盤の検査を受けるなどの高リスクの女性に対しては全員に行う直腸のスクリーニングを支持する、増えつつあるエビデンスの集まりに加わるものである」と述べています。
クラミジア感染症は主に抗菌薬で治療され、多くは完治します。しかし症状が軽くなってもまだクラミジアが生き残っているときに薬をやめてしまったり、性的パートナーが同時に治療を受けていなかったりすると、治療が長引くことがあります。ここで指摘されたような隠れた感染にも注意が必要です。
執筆者
Evidence for increased Chlamydia case finding after the introduction of rectal screening among womenattending 2 Canadian sexually transmitted infection clinics.
Clin Infect Dis. 2015 Feb 1
[PMID: 25336625]
※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。