◆顔の両側で比較
研究班は次のようにして、光線力学療法と、光を当てるだけの治療を比較しました。
顔の両側にざ瘡のある対象者が選ばれた。4週間かけて、8回の治療セッションが行われた。顔の片側にクロロフィルリポイド複合体を局所塗布したうえ青色と赤色の発光ダイオードの光を照射した。もう片側には発光ダイオードによる光線療法だけを施した。
顔の両側にニキビがある人を対象として、対象者の顔の片側は光線力学療法で、もう片側は光を当てるだけの光線療法で、4週間のうちに8回にわたって治療しました。
◆光線力学療法のほうが効いた
結果は以下のとおりでした。
合計24人の対象者が試験を完了した。顔のざ瘡はどちらの治療を受けた側でも改善した。クロロフィルAによる光線力学療法で治療した側では、発光ダイオードによる光線療法だけで治療した側よりもざ瘡の数、重症度、皮脂が有意に減少した。副作用はすべての対象者で忍容範囲だった。
対象者24人について、どちらの治療法でも改善があり、光線力学療法で治療した側のほうが、光線療法だけで治療した側よりもニキビの数が少なく、程度が軽く、皮脂も少なくなっていました。副作用は問題にならない範囲でした。
日本でもニキビの光線力学療法を受けられる施設はありますが、医療として標準的ではなく、保険適用にもなっていません。そんな新しい治療法の中にも、この研究のような検証を経て、広く受け入れられるものが出てくるかもしれません。
執筆者
Photodynamic therapy using chlorophyll-a in the treatment of acne vulgaris: a randomized, single-blind, split-face study.
J Am Acad Dermatol. 2014 Oct
[PMID: 24930587]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。