2015.05.18 | コラム

「リンゴ病」にかからないよう妊婦さんは要注意!

流行警報がでたリンゴ病について

「リンゴ病」にかからないよう妊婦さんは要注意!の写真

2015年5月8日、埼玉県でリンゴ病に対する流行警報が発令されました。りんご病は多くの人が子供の頃にかかっていて、特に問題になることはほとんどありません。 そんなリンゴ病に、なぜ流行警報が発令されたのでしょうか?それは妊婦が厳重に気をつけなければいけないからです。

◆リンゴ病とは?

リンゴ病とは「ヒトパルボウイルスB19」という名前のウイルスに感染することで起こります。リンゴ病は俗称であり、正式には「伝染性紅斑」という名前の病気です。

多くの場合は幼稚園や小学校までに感染し、一旦感染すると免疫ができ、その後かかることはありません。(風疹などと同じです)。

 

◆なぜ「リンゴ病」と呼ぶ?

伝染性紅斑の主な症状は、両側の頬が赤く腫れたようになる皮膚の症状です。この頬が、まるでリンゴのようであることから「リンゴ病」と呼ばれています。この頬の症状は、英語では「slapped cheek」つまり「平手打ちされたような頬」と呼ばれています。同じ症状でもこんなにも表現が違うのも面白いですね。

 

◆なぜ流行警報が出るのか?

リンゴ病は既に述べた通り、多くの場合は小さい頃に感染し、その後感染の危険性はありません。しかしながら運良く(運悪く?)感染したことがないまま大人になる場合もあります。

この場合で問題になるのが、「感染したことのない妊婦」です。

妊娠約20週くらいまでに初めてリンゴ病に妊婦が感染すると、まれではありますが、流産や胎児水腫といった奇形などが起こる危険性があります。そのため、リンゴ病にかかった人が一定数以上報告されると、流行警報が出されます。

 

かわいい名前の「リンゴ病」ですが、妊婦さんにとっては大敵です。

特に妊娠を考えている女性の方は、自分がリンゴ病にかかったことがあるのかを両親などに確認しましょう。また、特に小さい子どもと触れ合う機会の多い人は、妊娠初期は手洗いやマスクをするなど、注意をして過ごすことが必要ですね。

執筆者

Goichiro Toyoda

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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