◆年間2千万人の情報を参照
この研究では、夏の日毎の気温が記録されていた1,943の地域で、1999年から2010年の間に入院した65歳以上のメディケア加入者の、年間およそ23,700,000人分の受給情報から、入院の原因を調べました。
◆電解質異常が最大、感染症も
2日以上続けて、その地域で1%以下の日にしかみられない高い気温が観測された場合、10万人あたりの入院が体液・電解質の異常で0.34人、腎不全で0.25人、尿路感染症で0.24人、敗血症で0.21人、熱中症で0.16人、有意に増えていました。一方、うっ血性心不全による入院は有意に少なくなっていました。
研究チームは暑い日の入院のリスクについてわかったとしながらも、「リスク増加の幅は小さく、ケアのなかでどの程度重要かは明らかでない」と述べています。
暑い日に熱中症になりやすいといったことは多くの人が知っている常識ですが、それを改めて数値化してみると、思いのほかリスクの増加の程度は少ないようです。
執筆者
Cause-specific risk of hospital admission related to extreme heat in older adults.
JAMA. 2014 Dec 24-31
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