2015.04.22 | ニュース

8時間以上の睡眠は脳卒中になりやすい

9,692例の追跡調査から判明

from Neurology

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長時間睡眠をとる人は脳卒中になりやすく、中でも、8時間以上睡眠をとっているかたは平均睡眠時間が6~8時間の人々よりも1.5倍にリスクが跳ね上がるという報告がイギリスの研究グループよりなされました。

◆9,692例の追跡調査を行う

今回の調査では、42から81歳の脳卒中を発症していない9,692人を対象に、9.5年にわたり経過を追いました。

なお、それぞれの対象者について、睡眠習慣に関する聞き込みを研究開始時と4年経過後に行っており、その結果と脳卒中発症リスクの関係を分析しています。

 

◆8時間以上の睡眠で1.5倍、リスク高くなる

9.5年の追跡調査の結果、346例が脳卒中を発症しており、睡眠習慣との関係性をみると、一晩8時間以上の睡眠を取った人々では平均睡眠時間が6-8時間の人々よりも脳卒中のリスクが1.5倍も高いことが判明しました。なお、既往歴や血圧など様々な要因を調整しても同様の傾向がみられました。

また、睡眠習慣を一晩6時間以下から8時間以上に変えた方は、脳卒中を発症する可能性はさらに約4倍高い傾向を示しました。

今回の研究から、長時間睡眠は脳卒中リスクを高める可能性があるという、意外な結果が判明しました。

もっとも、長時間の睡眠が発症リスクを増加するかどうかについてはさらなる追加研究が必要ですが、近い将来、睡眠習慣を見直す必要にせまられる日がくるかもしれません。

*2019年9月4日にメドレー編集部で一部回筆修正しました。

執筆者

佐々木 康治

参考文献

Sleep duration and risk of fatal and nonfatal stroke: A prospective study and meta-analysis.,

Neurology., 2015 Mar 17

[PMID: 25716357]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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