2017.08.22 | ニュース

疲労回復、記憶力、ダイエットも要注意!消費者庁の監視と改善要請

平成29年4月から6月の結果を例に

疲労回復、記憶力、ダイエットも要注意!消費者庁の監視と改善要請の写真

体によさそうな食べ物を買ったことはありますか?健康増進法は食品について誇大表示の禁止などを定めています。消費者庁がインターネットでの表示を監視した結果を発表しました。

インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示について

2017年4月から6月に消費者庁が行ったインターネットの調査で、104事業者による125商品について、健康増進法に違反するおそれのある表示があり改善を要請したことが、7月28日に発表されました。

この監視は以前から引き続き行われていたもので、結果は数か月ごとに公表されています。

直前3か月の1月から3月には66事業者89商品について改善が要請され、うち65事業者88商品に改善が確認されました。改善が見られなかった事業者・商品については「個別に調査を実施」と報告されています。

今回対象となった125商品について、表示されていたことの例として以下が挙げられています。

  • 生活習慣病の予防、免疫病原体に対する体の防御システム。何かのきっかけで、免疫が過剰反応している状態がアレルギーで、免疫が自分自身の体を攻撃してしまうのが自己免疫疾患力を高める・便秘解消などの効果を有すること等を標ぼうする表示 
  • 活性酸素の働きの抑制、抗酸化作用により、がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある動脈硬化全身に酸素と栄養を運ぶ動脈の壁が硬くなった状態。加齢の他に、喫煙、高血圧、脂質異常症、糖尿病などが原因となるの予防、エイジングケアの効果を有すること等を標ぼうする表示 
  • 心臓病・動脈硬化の予防、抗がん剤悪性腫瘍(がん)に効果を発揮する薬剤。ただし、がん以外の良性疾患に用いられることもあるとしての働き、高血圧・糖尿病の予防などの効果を有すること等を標ぼうする表示
  • 抗酸化作用、粘膜の保護、免疫力アップにより、風邪インフルエンザ花粉症に効果を有すること等を標ぼうする表示 
  • 脂肪燃焼、新陳代謝体内で行われる、物質の合成や分解などの化学反応のことを向上、老廃物の除去の効果を有すること等を標ぼうする表示
  • 女性ホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれるの活性化に働きかけ、美白美肌、更年期障害の軽減、高血圧や動脈硬化予防等に効果を有することを標ぼうする表示 

 

なぜ改善を求められたのか?

要請の根拠として、健康増進法第31条1項の「何人も、食品として販売に供する物に関して広告その他の表示をするときは、健康の保持増進の効果その他内閣府令で定める事項(次条第三項において「健康保持増進効果等」という。)について、著しく事実に相違する表示をし、又は著しく人を誤認させるような表示をしてはならない。 」が参照されています。

「エイジングケア」や「脂肪燃焼」といった程度でも、「著しく事実に相違する」とみなされれば、「効果」があると思わせるような表示は監視の対象となることが読み取れます。

また表示を行った事業者だけでなく、「当該事業者が出店するショッピングモール運営事業者」に対しても「協力を要請した」ことが公表されています。

 

消費者庁はどうやって監視しているのか?

発表によれば、監視は「検索キーワードによる無作為検索」と「目視により確認」という方法で行われています。検索キーワードの例として以下が公表されています。

  • がん」、「動脈硬化」、「糖尿病」等の疾病の治療又は予防を目的とする効果があるかのような表現
  • 疲労回復」、「記憶力」、「免疫力」等の身体の組織機能の一般的増強、増進を主たる目的とする効果があるかのような表現
  • ダイエット」、「発毛」、「美白」等の身体を美化し、魅力を増し、容ぼうを変え、又は皮膚若しくは毛髪を健やかに保つことに資する効果があるかのような表現 等

鍵括弧で示された語を消費者庁は「改善させるべき表示に使われやすい」とみなしていることが読み取れます。

 

何に気を付ければいいのか?

消費者庁の監視は消費者の利益を守るためのものです。つまり、消費者庁は「疲労回復」や「ダイエット」という言葉が何らかの点で消費者の害に結び付く可能性があると考えていることが読み取れるでしょう。これらの語はあくまで一例であり、「健康の保持増進の効果」といった表現をふまえて消費者の立場に置き換えれば、およそ「体によさそうな食品」の広告には気を付けるべきと考えてよいのではないでしょうか。

極端な理解に思えるかもしれませんが、医薬品は別として特定保健用食品、機能性画像検査で分かるような腫瘍や潰瘍といった、臓器の形が変化するものではなく、臓器の機能異常が原因で病気が生じること表示食品、栄養機能食品といった枠組がある中で、どれにも当てはまらないにもかかわらず「効果がある」と称する広告がもしあれば、首をかしげざるをえないというのが実情です。

消費者庁による資料「健康食品に関する景品表示法及び健康増進法上の留意事項について」には「問題となる広告例」が記載されています。

健康食品の広告にはいくつかの法規制が関わり、定期的な監視が続けられているにもかかわらず、最近も毎月数十という改善要望が出され続けています。ふだんの消費活動の中でも出会う見込みは非常に大きいと考えるべきでしょう。効果がなく代金を失うだけならまだしも、健康食品によって健康被害に遭った例もたびたび報告されています。

自分や家族の健康を守るためにも、何が規制されていて何が理由なのかをよく知っておくことが役に立つでしょう。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

インターネットにおける健康食品等の虚偽・誇大表示に対する要請について(平成 29 年4月~6月) 

消費者庁ニュースリリース, 平成29年7月28日

http://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/health_promotion/pdf/health_promotion_170728_0001.pdf

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]