2017.06.20 | ニュース

長引く痛み「神経障害性疼痛」にガバペンチンは効く?

文献の調査から

from The Cochrane database of systematic reviews

長引く痛み「神経障害性疼痛」にガバペンチンは効く?の写真

糖尿病や帯状疱疹に続いて、神経のダメージによる痛みが長引くことがあります。ガバペンチンは痛みを和らげる効果が研究されています。これまでの研究結果の調査が行われました。

イギリスのオックスフォード大学などの研究班が、神経のダメージによる痛み(神経障害性疼痛医学用語で、痛みのこと)に対するガバペンチンの効果について、これまでの研究から出ている結果をまとめ、『Cochrane Database of Systematic Reviews』に報告しました。

痛みを和らげる薬の中でも、ロキソプロフェンナトリウム(商品名ロキソニン®など)などのNSAIDs炎症を抑える薬剤の総称(ただしステロイドを除く)で、鎮痛薬や解熱薬として頻用される。nonsteroidal anti-inflammatory drugsの略と呼ばれる薬は多くの用途で使われます。しかし、神経障害性疼痛にはNSAIDsが比較的効きにくいとされます。

ガバペンチン(商品名ガバペン®)ガバペンチンエナカルビル(商品名レグナイト®)は、神経の興奮を抑える作用のある薬です。日本では、ガバペンはてんかんの治療薬として、レグナイトはレストレスレッグス症候群の治療薬として承認されています。ほかにも痛みを和らげる効果が研究されています。

この調査と同様の調査が2014年にも報告されていますが、最近の研究の結果も含めるよう、改めて調査がなされました。
 

調査の結果、新しく4件の研究を加え、旧版で使われていた3件の研究を除き、37件の研究が採用されました。

報告されていたデータから次の結果が得られました。

  • 帯状疱疹後神経痛に対して、偽薬に比べて痛みが大幅に和らいだ人の割合はガバペンチンを飲んだ人のほうが大きくなりました。
  • 痛みのある糖尿病性神経障害に対して、偽薬に比べて痛みが大幅に和らいだ人の割合はガバペンチンを飲んだ人のほうが大きくなりました。
  • 副作用の可能性がある症状など(有害事象)として、ガバペンチンを飲んだ人でふらつき、眠気、手足のむくみ体の部位がむくんだ状態のこと。血液から水分が周囲に漏れ出ることで、全体が腫れてむくみが生じる、歩行障害などが現れました。

研究班は「1日1800mgから3600mgのガバペンチン(1日1200mgから3600mgのガバペンチンエナカルビル)は帯状疱疹後神経痛または糖尿病性末梢神経障害のある人に良好なレベルの痛みの緩和をもたらすことができる」と結論しています。

 

ガバペンチンが神経障害性疼痛を和らげる効果についての研究を紹介しました。

日本では、ガバペンチンやガバペンチンエナカルビルを帯状疱疹後神経痛糖尿病性神経障害に対して使うことは適応外使用となります。似たしくみで働く薬として、ほかにプレガバリン(商品名リリカ®)などもあります。実際にガバペンチンを使うかどうかの判断は単純ではありません。

神経障害性疼痛は、治療しても長く残ってしまう場合があります。決定的な治療法が見つかっていない中、既存の治療の効果は繰り返し検証され、判断をより確かにすることが目指されています。

執筆者

大脇 幸志郎


参考文献

Gabapentin for chronic neuropathic pain in adults.

Cochrane Database Syst Rev. 2017 Jun 9. [Epub ahead of print]

[PMID: 28597471]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。 [執筆者一覧]