2017.02.16 | ニュース

唐辛子の成分カプサイシンが長引く痛みに効く?最新の研究状況から

8件の研究の調査
from The Cochrane database of systematic reviews
唐辛子の成分カプサイシンが長引く痛みに効く?最新の研究状況からの写真
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カプサイシンは唐辛子などに含まれる辛味の成分です。大量のカプサイシンを含むクリームなどが痛み止めの薬として作られています。効果を調べた研究報告の調査が行われました。

カプサイシンは強い刺激がありますが、高濃度のカプサイシンを塗ることで神経の感受性が鈍くなり痛みが軽くなる効果を期待して、クリーム剤やパッチ剤が作られています。たとえば8%のカプサイシンを含む薬があります。8%というのは、唐辛子に含まれる濃度の100倍近くです。

高濃度カプサイシンは神経に原因がある痛み(神経因性疼痛)に使うとされています。

神経因性疼痛の例として帯状疱疹後神経痛などがあります。帯状疱疹後神経痛とは、皮膚に水ぶくれができて痛む帯状疱疹が見た目には治ったあとに数か月以上続く痛みを指します。神経因性疼痛は一般的な痛み止めのNSAIDs(ロキソプロフェンナトリウムなど)が効きにくいなど、治療が難しくなりやすい特徴があります。

イギリスの研究班が、高濃度カプサイシンの慢性神経因性疼痛に対する効果について、過去に行われた研究結果の調査を行いました。2013年にも同様の調査が行われていましたが、以後の報告を対象に含めて新しく調査が行われました。

 

調査の結果、採用基準を満たす8件の研究報告が見つかりました。

見つかった研究報告から、以下の痛みに対して有効とするデータが得られました。

  • 帯状疱疹後神経痛に対して(4件の研究)
  • 痛みが出ているHIV神経障害に対して(2件の研究)
  • 糖尿病神経障害に対して(1件の研究)

ほかに鼠径ヘルニアの手術後に試した1件の研究がありましたが、その研究では痛みを減らす効果が見られませんでした。

副作用の可能性がある症状などが現れる頻度は偽薬と統計的な差が見られませんでした。

 

高濃度カプサイシンが帯状疱疹後神経痛などに対して有効とする研究データが見つかりました。

帯状疱疹後神経痛は治療してもなかなか楽にならず困っている人も多い痛みです。ほかの治療に加えて高濃度カプサイシンが将来治療選択として検討されるかもしれません。

 

この記事では高濃度カプサイシンのクリーム剤・パッチ剤に触れていますが、いずれも日本では医薬品として製造・販売されていません(2017年2月時点)。以下の表現が誤解を招く恐れがあると判断し訂正しました。

 

訂正前)ほかの治療に加えて高濃度カプサイシンを試す価値はあるかもしれません。

訂正後)ほかの治療に加えて高濃度カプサイシンが将来治療選択として検討されるかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Topical capsaicin (high concentration) for chronic neuropathic pain in adults.

Cochrane Database Syst Rev. 2017 Jan 13.

[PMID: 28085183]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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