2017.02.09 | ニュース

熱が出て関節が痛む「成人スティル病」で死亡しやすい人の特徴は?

患者100人の調査から
from BMC medicine
熱が出て関節が痛む「成人スティル病」で死亡しやすい人の特徴は?の写真
(C) Jürgen Fälchle - Fotolia.com

成人スティル病は、発熱、関節痛、皮膚症状などを特徴とするまれな病気です。治療法はありますが、一度症状がなくなっても再び悪化する場合や、死亡に至る場合もあります。患者の状態の調査から、死亡した人で多く見られた特徴が報告されました。

イタリアの研究班が、成人スティル病の経過を予測する指標についての研究を、医学誌『BMC Medicine』に報告しました。

成人スティル病成人Still病成人スチル病)の症状には発熱、関節の痛み、皮膚の症状(皮疹)などがあります。次のような症状が特徴的です。

  • 朝は平熱で夕方から夜に39℃以上の発熱がある(弛張熱)
  • 指や手首などの関節が痛む
  • 熱が出たときに手足や胴体に淡いピンク色の皮疹が出る(サーモンピンク疹)

成人スティル病の原因は不明です。ステロイド薬免疫抑制薬などを使って炎症を抑える治療があります。成人スティル病が死因になる場合は少数ですが、以下のような状態になった場合は特に危険です。

  • 播種性血管内凝固DIC
    • 全身の血管の中で血液が固まり、血栓症を起こすとともに、血小板などが消費されるため出血しやすくなる
  • マクロファージ活性化症候群
    • 免疫細胞が活性化してほかの血液細胞を食べてしまうなどにより、全身の臓器が障害される

この研究では、参加施設で治療を受けた成人スティル病の患者100人の特徴を集計することにより、良い結果や悪い結果を予測する指標を探しています。対象者は2000年1月1日から2015年12月31日の間に集められました。対象となった100人は治療を受けながら症状の変化などを記録されました。
重症度を示す「全身スコア」と将来の経過との関連も検討されました。全身スコアは以下12項目を各1点満点で評価します。

  • 発熱
  • 定型的皮疹
  • 胸膜炎
  • 肺炎
  • 心膜炎
  • 肝腫または肝機能検査異常
  • 脾腫
  • リンパ節腫大
  • 白血球が15,000個/μlより多い
  • のどの痛み
  • 筋肉痛
  • 腹痛

 

対象者100人の参加時の年齢は平均45.35歳でした。全身スコアは平均6.11でした。

13人にマクロファージ活性化症候群が発生しました。100人中16人が、研究期間に成人スティル病が関連する原因で死亡しました

全身スコアが7以上の人では、全身スコアが7未満の患者に比べて死亡率が高くなっていました

 

成人スティル病では多くの症状が出ている人の危険性が高かったとする報告を紹介しました。

「全身スコア」の定義にも表れているように、成人スティル病の症状は非常に多様です。ひとつひとつの症状は出る人も出ない人もいます。特に危険が予想される人は、より注意して治療を進めるべきと考えられます。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Adult-onset Still's disease: evaluation of prognostic tools and validation of the systemic score by analysis of 100 cases from three centers.

BMC Med. 2016 Dec 1.

[PMID: 27903264]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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