仕事ができないほどの腰痛は治療で治るのか?

腰痛には原因がはっきりせず治療しにくいものがあり、多くの人を苦しめています。ひどい痛みがあれば労働にも支障が出ます。治療でどの程度の回復が見込めるのでしょうか。リハビリ施設に通う人の経過を追跡する研究が行われました。
◆腰痛リハビリ後に労働時間は戻ったか?
ここで紹介する研究は、腰痛の原因がはっきりせず症状が長く続いている慢性
オランダのリハビリ施設に外来で通う患者1,608人が対象となり、2か月のうちに3時間ずつ16回の運動などのリハビリを行ったあと、腰痛が
◆1年で82%まで復帰
調査から次の結果が得られました。
患者は、労働参加の平均がベースラインの38%から12か月後には82%に増加したことを報告した。
調査開始時点では、対象者の平均で労働時間が発症前の38%にまで少なくなっていましたが、リハビリ期間を含めて12か月後には発症前の82%の労働時間にまで戻っていました。
原因がはっきりせず、仕事の妨げになるほどの腰痛でも、治療して1年のうちにある程度改善が得られたという結果でした。この研究は治療をする人としない人を比較する方法ではないため、改善がどの程度まで治療の効果と言えるのかはわかりませんが、ひどい腰痛があるからといって悲観することはない、と言えるのかもしれません。
執筆者
Prognosis and course of work-participation in patients with chronic non-specific low back pain: a 12-month follow-up cohort study.
J Rehabil Med. 2015 Oct 5.
[PMID: 26306820]※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。