2016.04.28 | ニュース

仕事ができないほどの腰痛は治療で治るのか?

リハビリ施設利用者を1年追跡

from Journal of rehabilitation medicine

仕事ができないほどの腰痛は治療で治るのか?の写真

腰痛には原因がはっきりせず治療しにくいものがあり、多くの人を苦しめています。ひどい痛みがあれば労働にも支障が出ます。治療でどの程度の回復が見込めるのでしょうか。リハビリ施設に通う人の経過を追跡する研究が行われました。

◆腰痛リハビリ後に労働時間は戻ったか?

ここで紹介する研究は、腰痛の原因がはっきりせず症状が長く続いている慢性非特異的腰痛の患者の経過を調べています。

オランダのリハビリ施設に外来で通う患者1,608人が対象となり、2か月のうちに3時間ずつ16回の運動などのリハビリを行ったあと、腰痛が発症する前と比べて労働時間がどう変化したかを追跡調査されました。

 

◆1年で82%まで復帰

調査から次の結果が得られました。

患者は、労働参加の平均がベースラインの38%から12か月後には82%に増加したことを報告した。

調査開始時点では、対象者の平均で労働時間が発症前の38%にまで少なくなっていましたが、リハビリ期間を含めて12か月後には発症前の82%の労働時間にまで戻っていました

 

原因がはっきりせず、仕事の妨げになるほどの腰痛でも、治療して1年のうちにある程度改善が得られたという結果でした。この研究は治療をする人としない人を比較する方法ではないため、改善がどの程度まで治療の効果と言えるのかはわかりませんが、ひどい腰痛があるからといって悲観することはない、と言えるのかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Prognosis and course of work-participation in patients with chronic non-specific low back pain: a 12-month follow-up cohort study.

J Rehabil Med. 2015 Oct 5.

[PMID: 26306820]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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