2016.04.27 | ニュース

養護施設で乾皮症は半分の高齢者にある

介護施設入居者と入院患者1,710人を調査
from International journal of nursing studies
養護施設で乾皮症は半分の高齢者にあるの写真
(C) Ocskay Bence - Fotolia.com

高齢になると体内の水分量や皮脂分泌が減り保湿力が低下し皮膚が乾燥してきます。皮膚が乾燥すると皮膚のバリア機能がおちて、かゆみや皮膚炎を引き起こします。ドイツの研究チームが養護施設の高齢者で乾皮症がどれくらいあるかを調査しました。

◆高齢者1,710人を調査

研究チームは、ドイツの介護施設14件と病院6件に滞在している高齢者1,710人を調査しました。

 

◆半数の高齢者に乾皮症があった

以下のような結果が得られました。

乾皮症有病率は48.8%(95%信頼区間, 46.5-51.2)だった。入院患者(42.2%; 95%信頼区間,  38.3-46.1)と比較し、介護施設入居者がより多かった(52.6%; 95%信頼区間, 49.6-55.6)。足の皮膚は、他領域に比べて有病率が高かった(42.9%)。

介護および医療施設の高齢者の43%に足の乾皮症があり、それを含めて全体の49%に乾皮症があるという結果でした。

 

日本では,60歳以上の95%が乾皮症で,さらにその半数の人はかゆみを訴えているという報告もあり、誰にでも起こり得ることといえます。高齢の方にとって乾皮症はとてもつらいものですので、介護に携わる方は皮膚状態を観察し、かゆみがないかご本人やご家族からヒアリングすることが早期発見につながります。

参考文献

Dry skin in nursing care receivers A multi-centre cross-sectional prevalence study in hospitals and nursing homes.

Int J Nurs Stud. 2016 Apr.

[PMID: 26810458]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。