2016.04.01 | ニュース

心臓のカテーテル、刺した場所に事故はないのか?

176件の文献からの報告
from Netherlands heart journal : monthly journal of the Netherlands Society of Cardiology and the Netherlands Heart Foundation
心臓のカテーテル、刺した場所に事故はないのか?の写真
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狭心症などの治療で、血管にカテーテル(細い管)を通して心臓まで送り込む方法があります。前腕にある橈骨動脈という動脈を刺してカテーテルを入れる方法がよく使われますが、このときまれに起こる腕の機能障害などの頻度が調査されました。

◆カテーテルで問題はどれぐらい起こる?

オランダの研究班が、文献の調査を行いました。橈骨動脈(とうこつどうみゃく)を入口としてカテーテルを通し、狭心症などの原因になる心臓の冠動脈の異常を治療または診断する処置(TR-PCP)について、処置に関わる場所に起こる問題(合併症)の頻度について報告した研究を集め、結果をまとめました。

 

◆痛み、出血、腫れなど

調査によって、採用基準を満たす176件の記事が見つかりました。

最も頻繁に見られた合併症として、カテーテルによる血管造影という検査を行った場合、平均9.57%の人に刺した場所の痛みが発生しました。ほかにTR-PCPによって、橈骨動脈攣縮(れんしゅく;血管が締まってカテーテルを通しにくいなどの問題を起こす)、橈骨動脈閉塞(血管が塞がって血液が流れなくなる)、出血血腫(血の塊ができる)、腫れが比較的多く見られました。

ごくまれに、手の麻痺などの機能障害が報告されていました。

 

カテーテルを使った検査や治療は心筋梗塞などに対する効果が認められ、広く行われています。手術と違って胸を切り開かないで治療できるなどの特徴がありますが、わずかながら体を傷付けるため、絶対に安全とは言えません。まれに起こりうる問題を適切に認識してあらかじめ対処するために、こうした報告が重要な手掛かりになります。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Revealing the impact of local access-site complications and upper extremity dysfunction post transradial percutaneous coronary procedures.

Neth Heart J. 2015 Nov.

[PMID: 26437970]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。