2016.03.06 | ニュース

塩分が多い人は何を食べている?

食事と尿検査の解析から
from European journal of nutrition
塩分が多い人は何を食べている?の写真
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日本食は塩を多く使います。高血圧対策として勧められる量は一日6g未満ですが、日本人は平均10g近くを摂取しています。塩分摂取が多いと見られる人の食事にどんな特徴があるかが調査されました。

◆ナトリウム排泄量が多い人は何を食べていたか

『高血圧治療ガイドライン2014』では、高血圧の人は食塩摂取量の目標が一日6g未満とされています。対して、平成26年国民健康・栄養調査によると、全国の20歳以上のナトリウム摂取量平均は3,929mgであり、食塩に換算するとおよそ10gに相当します。

研究班は、塩分摂取が多くなることと関係する食品を特定するため、高血圧治療の薬や減塩食を使っていない40歳から59歳の日本人1,049人を対象に、食事調査と尿検査のデータから解析を行いました。

ナトリウム摂取量が多い人の指標として、体重あたりの尿中ナトリウム排泄量を計算しました。

 

◆味噌汁で多く乳製品で少ない

次の結果が得られました。

日本の高ナトリウム食品によるナトリウム摂取量は平均1日あたり2,552mgだった。体重あたり尿中ナトリウム排泄量が多い人は、日本の高ナトリウム食品である塩魚(P=0.001)や味噌汁(P<0.001)を有意に多く消費していた。この人たちは米の消費量もまた多かった(P=0.001)。体重あたり尿中ナトリウム排泄量が少ない参加者は、西洋の食品であるパン(P<0.001)、牛乳および乳製品(P<0.001)を有意に多く消費していた。

ナトリウム排泄量が多い人は、ほかの人よりも塩魚、味噌汁、米を多く消費していました。対して、ナトリウム排泄量が少ない人は、パン、乳製品を多く消費していました。

 

日本食は健康に良い面もありますが、塩分が多いという面もあります。特に塩分の多い食事につながりやすい食品に気を付けることで、バランスのよい食生活に役立つかもしれません。

執筆者

大脇 幸志郎

参考文献

Food sources of dietary sodium in the Japanese adult population: the international study of macro-/micronutrients and blood pressure (INTERMAP).

Eur J Nutr. 2016 Feb 22. [Epub ahead of print]

[PMID: 26903049]

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。