2016.03.18 | コラム

甲状腺の腫れ、息切れ、汗をかく!?バセドウ病の初期症状について解説

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1. バセドウ病とは?初期症状の原因について解説
2. バセドウ病の初期症状とは?
3. 症状が見られたら?治療法について簡単に解説

バセドウ病は、甲状腺という首のあたりにある臓器の機能に異常が見られることで起こる病気です。その初期症状は、息切れ、多汗などです。今回は、このバセドウ病の初期症状について詳しく解説します。

◆バセドウ病とは?初期症状の原因について解説

バセドウ病の初期症状は、眼球突出甲状腺のどぼとけのすぐ下にある、人体で最大の内分泌腺(ホルモンを出す臓器)。甲状腺ホルモンを分泌するの腫れ、頻脈脈が早い状態(100回/分以上とされることが多い)。運動や緊張が原因の、病的でないものも含まれるなどを代表とし、甲状腺の機能が関わる症状が見られます。今回は、バセドウ病の初期症状について詳しく解説しますが、まずバセドウ病の症状が現れる原因について簡単に説明します。

バセドウ病は、20歳から40歳の女性に多く見られる甲状腺の病気です。グレーブス病とも呼ばれ、ドイツ語圏内では「バセドウ病」、英語圏内では「グレーブス病」と呼ばれています。

甲状腺の機能について説明しますが、まず正常であれば、脳の下垂体脳の底(鼻の奥)にある脳の一部。様々なホルモンを分泌する働きをもつ前葉(かすいたいぜんよう)と呼ばれる部分から、甲状腺に「ホルモン体内で作られて、血流にのって体の特定の部位を刺激する物質。内分泌物質とも呼ばれるを出せ!」と指令を送るホルモン(甲状腺刺激ホルモン)が分泌されます。下垂体前葉から分泌された甲状腺刺激ホルモンは甲状腺にある、ホルモンを受け取る役割を持つ「受容体」にくっついて、甲状腺からホルモン(甲状腺ホルモン全身の代謝を活発にしたり、神経を興奮させたりする働きをもつホルモン)が出ます。甲状腺ホルモンは、分泌され続けると濃度が高くなるため、その濃度によって、脳の下垂体前葉に「もう甲状腺を刺激しなくていいですよ!」という指令が届き、甲状腺刺激ホルモンの分泌量を調整します。それにより、甲状腺は「ホルモンを分泌しなくていいんだ!」と理解し、分泌量が減少するという仕組みになります。

しかし、バセドウ病では、下垂体前葉から分泌された甲状腺刺激ホルモンがくっつくはずの受容体に、別の物質(自己抗体本来は外敵を倒すための働きをする抗体(免疫物質の一つ)のうち、何らかの異常によって自分自身の臓器や器官に向かってしまうもの)が先にくっついてしまっていて、下垂体前葉から出される指令を受け取ることができません。そのとき甲状腺はホルモンを分泌しつづけてしまい、結果として甲状腺ホルモンが出続けた状態になります。これが、バセドウ病によって甲状腺の機能が亢進する仕組みです。

甲状腺の役割は、ホルモンによって代謝体内で行われる、物質の合成や分解などの化学反応のことを高めることです。そのため、これから説明する初期症状が見られることになります。どのような初期症状があるのか?また、どのような特徴があるのか詳しく解説します。

 

◆バセドウ病の初期症状とは?

バセドウ病の症状は、様々なものがありますが、場合によっては死に至るものもあります。まずどのような症状があるか見ていきましょう。

  • 甲状腺の腫れ(びまん性甲状腺腫
  • 眼球突出
  • 頻脈、息切れ、動悸心臓や太い動脈の脈拍を自覚すること。精神的な緊張や運動だけでなく、ホルモンバランスの異常や貧血など、様々な病気の症状として起こる
  • 心房細動
  • イライラ
  • 筋肉の萎縮筋肉や内臓などが、やせ衰えて小さくなること、筋力低下
  • 多汗
  • 体重減少
  • 消化器症状(下痢、腹痛など)

心房細動は未治療のまま放置すると脳梗塞などの原因となる病気です。そのため、重症化する前に治療を行う必要があります。それぞれの症状について詳しく説明します。

①甲状腺の腫れ

甲状腺刺激ホルモンが自己抗体を刺激し続けるため、甲状腺が腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるのように腫れて大きくなっていく甲状腺腫になります。甲状腺腫には、びまん性のものと結節性のものがありますが、バセドウ病の場合はびまん性に腫れ、触ると柔らかいものとなります。

眼球突出

バセドウ病では目の症状が現れることは有名です。その代表が眼球突出になります。目が飛び出ているような状態で、これも自己抗体が原因であると言われています。喫煙者に多い症状です。

この他の目の症状としては、下を見ると眼球の運動よりもまぶたまぶたのこと。眼球の上下にある皮膚の部分を指し、それぞれを上眼瞼、下眼瞼と呼ぶの運動が遅れ、白目の部分が多く見える症状や、まばたきを繰り返すと徐々に痙攣したような状態になる症状が見られます。

③頻脈、心房細動

バセドウ病は代謝を促進する病気ですので、心臓の動きも亢進させてしまいます。そのため、頻脈や心房細動が起きると言われています。動悸、息切れ、最高血圧の上昇も現れます。

④イライラ

バセドウ病の初期症状として、「常にイライラする」といった特徴もあります。重症化すると、不穏状態落ち着きがなくなったり、興奮したりしている状態。精神疾患、アルコール依存、せん妄などが原因となることが多いになったり、せん妄が現れることもあります。

⑤筋肉の萎縮、筋力低下

甲状腺ホルモンは、タンパク質を分解してしまう働きがあります。そのため、筋肉の萎縮や筋力低下が起きます。

⑥体重減少、消化器症状

バセドウ病では、代謝が亢進するため食欲は増す一方で、摂取エネルギーを代謝によるエネルギー消費が上回るため、体重が減っていきます。腸の運動も盛んになるため、下痢や腹痛といった症状見られます。全身の糖の消費量が増え、低血糖発作が見られることもあります。

⑦発汗

エネルギーの代謝が盛んであるため、よく暑がり汗をかきます。

 

この症状の中でも、眼球突出、筋肉の萎縮に関しては、初期の症状と言えるかは場合によりますが、上記に挙げたような症状がいくつか見られたら、甲状腺の病気を疑っても良いかもしれません。

 

◆症状が見られたら?治療法について簡単に解説

前述のようなバセドウ病の初期症状が見られ、検査によって診断されたらどのような治療を受ければ良いのでしょうか?詳しい説明は別の機会に譲り、今回は簡単に説明します。

バセドウ病の治療は、薬物療法、手術療法、放射線療法主にがんに対して用いられる、放射線を用いた治療法に分けられます。薬物療法では、抗甲状腺薬として、チアマゾールやプロピルチオウラシルが使われます。手術療法では、甲状腺亜全摘手術を行うことがありますが、対象は若年者である場合が多いです。放射線療法は、抗甲状腺薬で改善しない人を対象に行われることがあります。それぞれ、副作用もあり、例えばバセドウ病甲状腺機能亢進症ですが、その治療により逆に甲状腺機能低下症となることもあります。

 

バセドウ病の初期症状について解説してきました。症状だけでは確定診断には至りませんが、診断をする上では非常に重要なものです。もし症状が見られたら、医療機関を受診しましょう。

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執筆者

Shuhei Fujimoto

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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