2016.03.27 | コラム

「腫瘍マーカー検査」とは?肺がん(小細胞肺がん、非小細胞肺がん)の検査法について解説

「腫瘍マーカー検査」とは?肺がん(小細胞肺がん、非小細胞肺がん)の検査法について解説の写真
(C) cassis - Fotolia.com

この記事のポイント

1. 腫瘍マーカー検査とは?
2. 肺がん(小細胞肺がん、非小細胞肺がん)について解説
3. 肺がんの検査で使う腫瘍マーカーを詳しく解説

肺がんの検査として、腫瘍マーカー検査があります。よく耳にする「腫瘍マーカー」という言葉ですが、どのような意味、検査方法なのでしょうか?解説します。

◆腫瘍マーカー検査とは?

肺がんの検査のひとつに腫瘍マーカー検査がありますが、そもそも腫瘍マーカー検査とはどのようなものなのでしょうか?

腫瘍マーカーとは、がんの患者さんに見られる物質で、血液検査で主に測定されるものです。正常よりも値が大きくなるため、その腫瘍マーカーについて検査することが、がんの有無の判断に役立ちますが、がんだけでなく、良性腫瘍にも反応するため、腫瘍マーカーが高くなっているからと言って、がんであるかはその時点ではわかりません。がんの部位によってそれぞれ特異的な物質があるため、それぞれの部位に適切な腫瘍マーカーを見ることになります。腫瘍マーカー検査は、がんの診断に対する役割だけではなく、治療計画のために治療の前に測定することや、検査値によって病期や治療効果を確認することもあります。一方で、腫瘍マーカーはがんの早期発見にはあまり意味がないと言われています(がんの再発では早期発見に役立ちます)。

さらに詳しく見てみると、腫瘍マーカーは、Bence-Jones 蛋白、hCG 、AFP、CEA、CA19-9、がんの遺伝子やがんの抑制遺伝子であるHER2蛋白、p53蛋白などがあります。別の分け方としては、臓器に特異的なマーカーと非特異的なマーカーがあります。臓器に特異的なマーカーは、AFP、PSA、NSEなどで、非特異的なマーカーはCEA、TPA、フェリチンと呼ばれる物質などです。

 

◆肺がん(小細胞がん、非小細胞がん)について解説

ここで、肺がんについて説明します。肺がんは、その分類方法によっても異なりますが、小細胞がんと非小細胞がん(腺がん、扁平上皮、大細胞がん)に分けられます。小細胞がんが、その他の3つの肺がんと性質や治療法が異なることから、このような分類になります。小細胞肺がんは、増殖が早く、他の3つの肺がんよりも悪性度が高いことが知られています。しかしながら、化学療法放射線療法と知った治療の効果は、小細胞がんの方が大きいことがわかっています。

 

◆肺がんの検査で使う腫瘍マーカーを詳しく解説

肺がんの腫瘍マーカー検査では、以下の検査値を参考にします。

  • CEA
    • 肺がん全般で値が高くなることがあります。炎症性腸疾患や膵臓、肝臓の炎症でも値が高くなります。また、喫煙者ではCEAが元々高いこともあります。
  • SLX、CEA
    • 腺がんの腫瘍マーカーです。
  • SCC、シフラ
    • 扁平上皮がんの腫瘍マーカーです。
  • NSE、ProGRP
    • 小細胞がんの腫瘍マーカーです。
    • NSEと比べて、ProGRPの方が肺がんに特異的であることがわかっています。

これらの腫瘍マーカーが高い値を示していないからと言って、「肺がんではない」とは言えません。それは、この腫瘍マーカー検査の感度特異度によるためです。感度は、実際に肺がんである場合に検査で肺がんであるという結果が出る割合、特異度は実際に肺がんではない場合に検査で肺がんではないという結果が出る割合です。腫瘍マーカー検査では、この感度と特異度がそこまで高くないため、検査の結果だけで「肺がんである」「肺がんではない」という確定的な診断を出すことはできないのです。

腫瘍マーカー検査も含めた様々な検査や症状により「肺がん」という診断がつくと、治療に移ることになります。肺がんの主な治療法は、手術、化学療法、放射線療法の3つになります。肺がんのタイプ(小細胞肺がんかそうではないか、など)と肺がんステージ肺がんの大きさ、転移の有無)によって異なります。肺がんは早期であれば5年生存率が80%以上と報告されています。

 

肺がんの腫瘍マーカー検査について解説しました。がん(悪性腫瘍)は、日本の死因上位の病気です。検査の意味を知っておくことは有用であると思います。

執筆者

Shuhei Fujimoto

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。


MEDLEYニュース新着記事