2016.02.22 | コラム

咳が止まらない。肺がんの初期症状と検査方法、検診について解説

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1. 肺がんの初期症状とは?咳、痰、発熱・・・
2. 肺がんの検査方法とは?
3. 早期発見で進行予防、肺がん検診について解説
4. やっぱり予防が大事。タバコと肺がんの関係とは?

肺がんは、早期発見により進行を防ぐことができるため、初期症状を知ることは大事です。今回は、肺がんの初期症状、検査方法、検診について解説します。

◆肺がんの初期症状とは?咳、痰、発熱・・・

がん無制限に増殖して周囲へ広がる、異常な細胞(がん細胞)による病気。塊となって腫瘍を作る固形がんと、白血病のように血液中にがん細胞が存在する血液がんがある(悪性新生物)は、日本の死因第1位であることはよくご存知かもしれません。その「がん」の中でも、肺がんは死亡者が最も多いことが特徴的です。「何か調子が悪いのが続く・・・」「咳が止まらない」「思い当たるふしがないのに体重がどんどん減っていく」という症状が気になって、検査を受けてみたらがんだったということが多い病気です。今回は、早期に発見するための初期症状の理解と検査方法、検診、予防法について解説します。

肺がんに限ったことではないのですが、がんは症状がない時に発見しないと、症状が見られた時にはすでにかなり進行しているということが多い病気です。病状が進行してから発見された場合、手術をすることが難しいこともあり、早期発見が重要であると言えます。その一方で、がんは初期には症状がまったくないということも少なくありません。そのため、肺がんではどんな症状がでやすいのかを知っておくことは大事です。

肺がんで見られる症状の中で、最初に現れることの多いものは以下の通りです。

  • 血痰血液が混じった痰。肺の病気で起こる
  • 胸痛
  • 発熱
  • 体重減少

風邪後の咳は数週間続くことがありますが、特に風邪の後でもないのに咳が続いている場合は​気をつける必要があります。風邪のような初期症状が何週間も続く場合は、肺がん以外の病気との区別の意味も兼ねて、受診してみることも大事です。

 

◆肺がんの検査方法とは?

次に、肺がんの検査方法について説明します。

肺がんの検査は、痰の細胞診病気を詳しく調べるために、病変のかけらである細胞を採取して、顕微鏡で調べる検査。腫瘍が、がんかどうかを調べる時などに行われる。より詳しく調べるのが組織診(痰の中に含まれる細胞を調べ、がん細胞が存在しないかを検査します)、血液検査腫瘍マーカーがんになると高値を示す採血上の項目。がんによっては固有の腫瘍マーカーがあるので、採血検査によってがんがありそうかどうかを調べることができると呼ばれる、がんに反応する物質を検査します)、胸部CT検査X線(放射線)を用いて胸の中の状態を調べる検査。肺や肋骨などの状態を確認するために行われることが多い胸部レントゲン X線(放射線)によって撮影する画像検査の一種で、心臓や肺、骨などの状態を調べるために行われる検査(画像を見て、影となっている部分や腫瘍細胞が増殖してできるこぶのようなもの。あまり悪さをしない良性腫瘍と、体に強い害を与えることの多い悪性腫瘍に分類されるの大きさ、位置などを検査します)などを行います。「肺がんである」と確定するためには、痰の細胞診で陽性(がん細胞が見られた場合)であるか、気管支鏡口もしくは鼻から、細い内視鏡(ファイバースコープ)を肺の気管支まで入れて、気管や気管支の内側の状態を調べる検査の洗浄液から判断する場合、組織を切り取って病理組織学的検査を行う場合などがあります。組織を取る方法には、気管支鏡(胃カメラ口もしくは鼻から小さいカメラを胃まで進めて、胃の中の状態を見る検査。「上部消化管内視鏡検査」とも呼ばれるのように口から細い管を入れて肺に到達させる検査器具)を使って、鉗子で採取する方法や、手術で採取する方法があります。

 

◆早期発見で進行予防、肺がん検診について解説

肺がんは、検診や人間ドックで発見されることが多い疾患です。早期に発見するためには、定期的に検診を受ける必要がありますが、どのような検診で肺がんが発見されるのでしょうか。

対象は40歳以上の人になります。問診医師が、ある症状や病気についての経過を聞き、質問を繰り返すことと胸部レントゲン検査を行います。ここで異常のあった場合は二次検診を行います。また、最近6ヶ月以内に血痰が出たことのある方や50歳以上でブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が400以上の人には痰の細胞診を行います。細胞診で陽性となった場合は二次検診を行う前に肺がんと診断され、精密検査を開始します。

二次検診で行う主な検査は主に胸部CT検査です。胸部レントゲン検査では、肺がんの大きさがある程度ないと写真にうつらず、その大きさの時にはリンパ節転移がんが周りのリンパ節に転移している状態。通常、がんは周りのリンパ節に転移した後、さらに遠くの臓器に転移する(遠隔転移)を起こしていることもあるため、より検査精度の高い胸部CT検査が行われます。CTX線(放射線)を用いて、体の内部を画像化して調べる検査検査は被曝量が少なくないため、最近では低線量CT検査という放射線の量を落とした検査が行われる場合もあります。

 

◆やっぱり予防が大事。タバコと肺がんの関係とは?

肺がんの初期症状、検査、検診について解説してきました。これらは、肺がんの早期発見に欠かせないものですが、何より肺がんを予防できればそれにこしたことはありません。

肺がんの予防として、禁煙が一番に挙げられます。喫煙することで、肺がん慢性閉塞性肺疾患心筋梗塞などへの影響はよく知られており、喫煙者の肺の写真を見て驚いた方もいらっしゃるのではないでしょうか。また、喫煙により「肺がんになる」というだけでなく、もし肺がんを早期に発見できたとしても、喫煙者では肺がん以外の心臓や肺の病気の影響で、手術ができないといった事態になることがあります。場合によっては、早期発見のために肺の画像検査を行っても、喫煙によって肺の状態が悪くなったことで、肺がんを見逃してしまうことにも繋がります。

このようなことを考えると、早期発見の前に、予防として、タバコを吸わないあるいは禁煙を行うのも重要であることが理解できます。

 

肺がんによる死亡を考えると、早期発見だけではなく、予防にも気をつかいたいものです。もし肺がんが発見された場合は、手術や放射線治療主にがんに対して用いられる、放射線を用いた治療法化学療法がんの治療の一種で、抗がん剤を使った治療の総称などの治療が行われます。治療法に関しては、別の機会に解説します。

執筆者

Shuhei Fujimoto

※本ページの記事は、医療・医学に関する理解・知識を深めるためのものであり、特定の治療法・医学的見解を支持・推奨するものではありません。

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